内容説明
20世紀最良の知的遺産たる構造主義は、21世紀世界の難問にいかに答えるのか。構造主義を提唱した文化人類学の泰斗が、性・開発・神話的思考など、アクチュアルなキーワードを通じて、第三のユマニスムとしての人類学の新しい役割を説く。日本文化への鋭い洞察を示す、一九八六年、東京での三回の講演と質疑応答を収録。
目次
第1講 西洋文明至上主義の終焉―人類学の役割(人類の歴史と人類学;人類学とは何か;客観性と全体性を求めて ほか)
第2講 現代の三つの問題―性・開発・神話的思考(共通言語としての親族関係;「未開社会」の“人工受精”;“低開発”とは何か ほか)
第3講 文化の多様性の認識へ―日本から学ぶもの(人種決定論の誤謬;文化が遺伝を決定する;累積的社会・停滞的社会 ほか)
著者等紹介
レヴィ=ストロース,クロード[レヴィストロース,クロード][L´evi‐Strauss,Claude]
1908‐。ブリュッセル生まれ。フランスの文化人類学者。パリ大学法学部卒業後、リセ(高等中学校)教員を経てブラジル、アメリカで民族学を研究、49年帰国し、パリの人類博物館、高等研究院、コレージュ・ド・フランスなどで教育と研究に従事。社会人類学研究所を創設。画期的労作『親族の基本構造』などで文化の厳密な構造分析方法たる構造主義の旗手となる
川田順造[カワダジュンゾウ]
1934年東京都生まれ。文化人類学者。東京大学教養学部(文化人類学)卒業、同大学院社会学研究科博士課程修了。パリ第5大学で博士号取得。東京外国語大学、広島市立大学教授を経て、神奈川大学教授
渡辺公三[ワタナベコウゾウ]
1949年東京都生まれ。文化人類学者。東京大学教養学部フランス科卒業、同大学院社会学研究科博士課程修了。国立音楽大学助教授を経て、立命館大学教授
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