内容説明
「在日」を考えることは、戦後の日本社会に内在化された日本と朝鮮、さらにアジアとの関係を考えることであり、同時に、21世紀におけるナショナル・アイデンティティを問いかけることでもある。新たな朝鮮半島・東アジア情勢と可能性としての「在日」を考える。
目次
1 朝鮮人にとっての国境―流浪の民の国際関係
2 在日一世の思想―植民地体験の精神構造
3 在日朝鮮人の“内なる天皇制”―権威的秩序の内面化
4 「在日」の国籍と呼称―分断的・二分法的思考をどう乗り超えるか
5 「不遇の意識」からの出発―「在日」を生きるとは
6 「記憶」と社会科学的認識―「在日」にとって記憶とはなにか
7 「在日」にとっての東アジア認識―南北統一への歩みのなかで
8 韓国同時代思想へのまなざし―思想の営みから学ぶもの
9 21世紀への「在日」のアイデンティティ―「関係性」のあり方