内容説明
旧制高校時代から今日まで、加藤周一には同時代への強い関心が、絶えることなく息づいている。それは、日本および世界の政治から決して目を逸らさない態度につながり、歴史的かつ比較文化的に、日本人と日本社会の特徴を明らかにしたいという欲求になる。なぜなら、われわれを規定する条件を知ることが、「自由」であり続けるための第一歩だと考えるからにほかならない。日本の社会・文化を歴史的変化の相に捉えながら、インターナショナルな視野の下に展開される鋭い同時代批判。
目次
日本社会・文化の基本的特徴
日本文化の雑種性
近代日本の文明史的位置
日本人の外国観
日本人の死生観
戦争と文学とに関する断想
新しき星菫派に就いて
金槐集に就いて
天皇制を論ず
中立と安保条約と中国承認
言葉と戦争
ヴェトナム・戦争と平和
見るべき程のことは見つ
中国再訪
教科書検閲の病理
自由と・または・平等
現代の女の問題
「過去の克服」覚書
ヒロシマ・ナガサキ50年
「羊の歌」その後