平凡社ライブラリー
マルクスのために

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  • サイズ 文庫判/ページ数 529p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784582760613
  • NDC分類 134.5
  • Cコード C0310

内容説明

独自の方法的読解によるマルクス主義理論の新しい理解をもって、〈構造主義〉以降の思想の領域を大きく方向づけたアルチュセールの主著。旧訳『甦るマルクス』を全面的に改訳し、未発表論文1篇を付す。

目次

今日的時点 序文
フォイエルバハの『哲学的宣言』
若きマルクスについて―理論上の諸問題
矛盾と重層的決定―探究のためのノート
「ピッコロ」、ベルトラッチーとブレヒト―唯物論的な演劇にかんする覚書
カール・マルクス『一八四四年の草稿』―経済学・哲学手稿
唯物弁証法について―さまざまな起源の不均等性について
マルクス主義とヒューマニズム

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しお

1
構成が秀逸な訳書である。主にスターリニズム以後の「社会主義的ヒューマニズム」を迎撃対象とする理論家による、かなりの切実性をもって書かれた試論の集成。結局アルチュセール先生のポジショントークばかりを楽しんでしまって、国家ごとに実践がなされる社会主義の種差性がいかにして可能なのかといった理論的な問題について十分な理解を得ることができていないで読み終えてしまった。それはそれとして、訳者解説に言及されているH.ルフェーブルの著作群との比較検討をすることは68年前後のマルクス受容を考える上で重要な契機になりそう。2020/05/28

肉欲棒太郎

1
マルクスとヘーゲル、青年期マルクスと円熟期マルクスとの間に「認識論上の切断」を行い、「重層的決定」の概念によって歴史の多元論的把握を提示する内容。演劇論が面白かった。マルクスの哲学上の祖先をヘーゲルでなくスピノザとしているところは後の現代思想系哲学者によるスピノザ再評価の先駆け的なものか。2015/04/21

上り下り澱

0
徹頭徹尾意味が分からなかった本を読んだのは久しぶりです。2013/06/16

mayu

0
マルクスがスピノザを称して「スピノザの体系は本人が思ってるのとは違う体系のなかにある」と言っていたが、マルクスの方こそ言われてしかるべきだ。2011/03/03

U2

0
スターリン批判によるマルキシズムのヒューマニズム化を受け、構造主義的手法を駆使してまさに「マルクスのために」徴候的読解を行い、階級闘争史観・唯物弁証法・経済決定論の枠組によって固定化されてきた従来のマルクス解釈に風穴を空けたきわめて重要な論考。アルチュセールは、『ド・イデ』を境に認識論的断絶を見出し、後期マルクスのヘーゲル的プロブレマティックからの離脱と科学的認識の確立を喝破、社会形態はあくまでも重層的に決定されるものであるとし、下部構造の優位を最終審級に限定する。2021/05/22

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