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中世思想原典集成〈11〉イスラーム哲学

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  • サイズ A5判/ページ数 1161/高さ 22cm
  • 商品コード 9784582734218
  • NDC分類 132
  • Cコード C3310

内容説明

ギリシア神殿上のモスク。西欧に先立って古代ギリシアの知的遺産を引き継いだのは、イスラーム世界である。その哲学は、神学やスーフィズムと対抗しまたこれらを補完しつつ、長く豊かな伝統を作り上げた。知られるところ少なかった思潮を俯瞰する空前の大冊。

目次

知性に関する書簡(キンディー)
有徳都市の住民がもつ見解の諸原理(ファーラービー)
知性に関する書簡(ファーラービー)
イフワーン・アッサファー書簡集(イフワーン・アッサファー)
知性の安息(キルマーニー)
救済の書(イブン・シーナー)
イスラーム神学綱要(ガザーリー)
光の壁龕(ガザーリー)
孤独者の経綸(イブン・バーッジャ)
知性と人間の結合(イブン・バーッジャ)
ヤクザーンの子ハイイの物語(イブン・トゥファイル)
矛盾の矛盾(イブン・ルシュド)
霊魂論註解(アヴェロエス(イブン・ルシュド)
光の拝殿(スフラワルディー)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

記憶喪失した男

10
念願のイスラム哲学をとうとう読んだ。十四篇が収録されているこの本において、ファーラービー「有徳都市の住民がもつ見解の諸原理」が抜きんでて良い。ファーラービー「有徳都市の住民がもつ見解の諸原理」は、アリストテレスを第一の師、ファーラービーを第二の師というのだが、アリストテレス「形而上学」に肩を並べる傑作である。スピリチュアル思想は十九世紀ヨーロッパに起源をもつとすることがあるが、それは十世紀のファーラービーに発想の萌芽がある。ファーラービーの描いた天動説世界はとても面白く、また一神教神学の到達点でもある。2021/05/06

roughfractus02

6
7世紀のイスラム国家によるアレクサンドリア征服はその教育機関をシリア、トルコを経てバグダードへ移し、「知恵の館」(バイト・アルヒクマ)と称した。アリストテレス、新プラトン主義、ガレノス等の膨大なギリシャ語文献のアラビア語への翻訳は、後のラテン中世に多大な影響を及ぼす。一方この知の移動には、キリスト教ラテン中世に流入しなかった、古代末期にまとめられたアリストテレス論理学やプロティノスの著作も含まれる。両者はイブン・シーナーやイブン・ルシュドの形而上学を構築し、イスラムの神学者に危険視された(14編を収録)。2019/05/27

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