内容説明
近代のルネサンスに先立って中世のルネサンスがあった。「12世紀ルネサンス」を主導し、古典古代の学知、とりわけプラトンを援用しつつ創造論や自然観を革新したシャルトル学派の多彩な業績。全11篇本邦初訳。
目次
詩集(シャルトルのフルベルトゥス)
プラトン註釈(シャルトルのベルナルドゥス)
ボエティウス デ・ヘブドマディブス註解(ギルベルトゥス・ポレタヌス)
宇宙の哲学(コンシュのギヨーム)
プラトン・ティマイオス逐語註釈(コンシュのギヨーム)
六日の業に関する論考(シャルトルのティエリ)
ヘプタテウコン(七自由学芸の書)(シャルトルのティエリ)
コスモグラフィア(世界形状誌)(ベルナルドゥス・シルヴェストリス)
メタロギコン(ソールズベリーのヨハネス)
創世記についての小論考(アラスのクラレンバルドゥス)
アンティクラウディアヌス(アラヌス・アブ・インスリス)
感想・レビュー
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roughfractus02
10
11-12世紀の司教座聖堂(カテドラル)を冠した都市には司祭養成の付属学校(スコラ)があり、教会や修道院にアーカイブされた古典古代の文献を繰り返し読むことが教会のラテン的教養を作る。その外枠である自由学芸7学科をシャルトル学派は復興し、その段階の中で文法学(シャルトルのベルナルドゥス)や自然学(コンシュのギョーム、シャルトルのティエリ)を特に探求した。自然学を基礎とした数学的で論理学的な彼らのプラトン理解は、従来の教父による神秘的解釈と一線を画すゆえに、サンスの教会会議において断罪される(11編を収録)。2019/05/24
あ
0
難…2012/06/14