• ポイントキャンペーン

イタリア現代思想
無機的なもののセックス・アピール

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582703436
  • NDC分類 701.1
  • Cコード C0010

内容説明

人間がどこまでもモノに近づいていく「ポスト・ヒューマン」状況。そこでは、中性的‐無機的‐人工的な文化現象が支配的になるが、ベンヤミンの顰にならい、この「モノ性」の感覚論を打ち立てたのが本書。同時にそれは、哲学をセクシュアル化するとともに、快楽を脱セクシュアル化する危険な試みでもある。シリーズ第二弾。

目次

感覚とモノ
性のプラトー
神、動物、モノ
デカルトと感覚するモノ
属するものなき衣服となる
模範的中毒
カントとモノとしての配偶者
サディズムと無機的なもののセックス・アピール
哲学的サイバーセックス
カントとモノ自体が感覚すること
マゾヒズムと無機的なもののセックス・アピール
衣服としての身体
ヘーゲルと「これではないもの」としてのモノ
フェティシズムと無機的なもののセックス・アピール
ハードコアの響き
ヘーゲルと「さらに」としてのモノ
ヴァンピリズムと無機的なもののセックス・アピール
造形的風景
ヘーゲルと「一挙に全体」としてのモノ
欲望と無機的なもののセックス・アピール
氾濫するインスタレーション
ハイデガーと信頼性としてのモノ
分割と無機的なもののセックス・アピール
包含的メタエクリチュール
ヴィトゲンシュタインと「これ」の感覚
快と無機的なもののセックス・アピール
倒錯的パフォーマンス

著者等紹介

ペルニオーラ,マリオ[ペルニオーラ,マリオ][Perniola,Mario]
1941年生。ローマ大学第二トル・ベルガータ教授。美学・哲学

岡田温司[オカダアツシ]
1954年生。京都大学大学院博士課程修了。京都大学大学院教授。西洋美術史。著書に『モランディとその時代』(吉田秀和賞)、『フロイトのイタリア』(読売文学賞)など多数

鯖江秀樹[サバエヒデキ]
1977年生。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了(人間・環境学博士)。近代芸術論・イタリア文化史。立命館大学、関西大学非常勤講師。著書に『イタリア・ファシズムの芸術政治』(表象文化論学会奨励賞)など

蘆田裕史[アシダヒロシ]
1978年生。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程研究指導認定退学。服飾史・デザイン史。京都服飾文化研究財団アソシエイト・キュレーター。ファッション批評誌『fashionista』編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

王子

11
言いたいことは、オルガスム狂からの解放としての中性的セクシュアリティの追求、その実現のための哲学的営為の必要性、といったところか。しかし、その必然性が理解できなかった。詩的な表現と思想史的概念にもとづいた説明的表現とを併用しているのがごまかしのようにも見える。2017/10/17

Ecriture

10
哲学は一瞬のオルガズムを目指す往復運動に縛られていたのではないか。モノとして、衣服として触れ合い、無目的に折り重なる思考へ。レプリカントやハラウェイのサイボーグフェミニズムへの批判、ドラッグ的哲学のススメが面白い。性関係と無縁の性がないとしても、セクシュアリティを拡張し、中性化された宙吊りのセクシュアリティを哲学によって獲得しようと努めることはできる。2014/10/25

記憶喪失した男

8
これは西洋哲学入門書であり、無機的なもののセックスアピールに関しての考察はない。デカルトやカントが無機的なもののセックスアピールとどう関係あるっていうんだよ。2016/04/18

またの名

5
イタリア的多孔性が惜しげもなく発揮されていて萎える。でもアガンベンよりは統一感があるのかも。それに萎えても、セクシャリティを追及する本文の煽情的エネルギーに圧倒される。精神分析はフェティシズムの考察でチラッとだけ言及されるけど、真顔で繰り広げる話題の卑猥さはフロイト並み。無機的・中性的に感覚するモノは通俗的な快にも性の二元論にも関係ないと主張して、デカルト、カント、ヘーゲル、ハイデガー、ヴィトゲンシュタイン、ハードコア、マゾヒズム、吸血鬼、建築、パフォーマンス、谷崎潤一郎、大島渚などを広範囲に渉猟する。2013/07/27

まあい

2
「非人称的なセクシュアリティ」を語るための新しい語彙を提供してくれる一冊。問題意識としてはクィア・スタディーズなど現代思想における「性/愛」「親密性」の探求と共通していると思われる。目的論的で再生産主義的な社会に対する批判として、他の論者と比較しつつ読み込みたい。2017/08/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5432450
  • ご注意事項