内容説明
地元で生まれ育った著者が自身の体験を織り込みつつ、街や古鎮をそぞろ歩き、ある時は歴史のうねりに身をおき、さまざまな角度から上海をつづる。見る、歩く、食べる、掘り下げる―“知られざる上海”案内。
目次
1 歩く、見る、食べる上海(淮海路の今昔―上海の銀座;老城隍廟、豫園の今昔―上海の浅草寺;南京路の今昔―上海一の繁華街;民は食を以て天と為す―上海を食べる;「朋有り遠方より来たりて、亦た楽しからずや」―古鎮に遊ぶ)
2 たどる、知る、考える上海(「黄浦江」伝説―上海最古の豪傑;上海誕生―名将や詩人たちの足跡;徐家匯物語―西洋文明との邂逅;上海英傑列伝―宋教仁・陳其美・黄炎培・劉海粟の生涯;上海風雲録―「国賊を抹殺せよ」;最後の戦い―魑魅魍魎の末日;過ぎ去りし時、忘るべからず)
著者等紹介
荘魯迅[ソウロジン]
1956年上海生まれ。1980年に歌手としてデビュー、中国全土で音楽活動を展開。1988年来日。東洋大学文学部国文学科に入学、修士論文「森鴎外論 その反近代精神の構造」で優秀論文賞。現在、音楽活動の傍ら、カルチャーセンターなどで漢詩、音楽、中国史を講義している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きいち
7
上海っ子の文化人(としか言えんなぁ、文革で進学できずに路上から歌手になって、その後日本に留学して今は中国史講義してるって…安藤さんが元はボクサーっていうのと同じ感じだろうか?)による上海という街の物語。旅行ガイドのつもりで借りてみたら予想外に良かった。日中関係では1945までの話ばかり語られるけれど、文革のインパクトを忘れたらダメだ、向こうの事情を理解するには。そして素敵なのは、日本から友人を迎えた際のグルメツアー。暖かい。国より個人、間に食卓。2013/01/20
しんかい32
1
読み物的に上海について語った本。体系的ではないけど非常に面白い。租界時代の100年にとどまらずいろいろな時期の上海が語られている。徐家匯という地名の裏にこんな偉人の存在があったとは。知らない話ばかり。語り口もよい。著者の一人称が「わたくし」なのはちょっと不思議。2013/05/31