内容説明
周縁的人々=〈貧民〉に対して、ヨーロッパ社会はどのような態度をとってきたのか。ポーランドを代表する中世史家が、中世末期から現代世界にいたるまでの、〈貧困〉に対するエートスの変容を丹念に分析・叙述。
目次
第1章 はじめに―貧困の烙印と貧困への態度
第2章 中世―貧民は必要か
第3章 近近社会と貧困
第4章 新しい社会政策
第5章 貧民の収監
第6章 現代世界と貧困
結び 憐れみの歴史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mob
0
ディストピア感凄い。憐れみ商法から、縛り首で脅しての強制労働へ。行間から引っ張り出すしかないのだが、貧者救済を掲げた団体も実際に貧民に使ったコストは非常に少なかったという部分から、教会の実態は中世より大差なしと読むべきだろう。慈善の窓口が儲かるうちは適当にやっても、巡礼の副作用で貧民まみれになったら取り締まるしかない。 それでも富者の贖宥状代で貧者を救ってた方がマシで、働いて祈れ怠惰は死ねという世間知らず新教よりは(新教への対抗のための改革以前は)機能していたものと推定できる。古代奴隷や中世農奴より悲惨2021/03/22