さまよえる近代―グローバル化の文化研究

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  • サイズ B6判/ページ数 425p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582452273
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0036

内容説明

グローバル化の重層的乖離構造を定式化し、新たな文化研究の地平を示す。

目次

“いま”と“ここ”
第1部 グローバルなフロー(グローバル文化経済における乖離構造と差異;グローバルなエスノスケープ―トランスナショナルな人類学へ向けての覚書と疑問;消費、持続、歴史)
第2部 近代の植民地(近代性との戯れ―インド・クリケットの脱植民地化;植民地的創造力における統計)
第3部 ポストナショナルな配置(原初主義の後で;愛国心とその未来;ローカリティの生産)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SQT

2
グローバル化とかその辺の理論について良くまとまってる。文化が脱植民地化を迎えるまで(クリケットの話)とかも面白い(これはポスコロか)。吉見先生の解説にもあるようにアパデュライ自身の立ち位置はほかのグローバル化(というかポモ?とはいえアパデュライ自身は近代の延長として捉えてるっぽいけど)についての理論家とちょっと違って「乖離」を強調してる(だから「スケープ」という見る角度によって中身が変わることばを使ってる)けど割とオーソドックスな議論で分野の全体を俯瞰するに際して有用なのでは?という感じ2017/11/03

kassie

2
主に第二章を中心に読む。アパデュライは複雑な事象が絡まりつつ乖離構造をなしている現代を、グローバルなフローという概念で分析。そこで5つのランドスケープという枠組みを仮に設定してみると、それらがグローバルに展開している(流動的、つまりフロー)というもの。あと重要なのは【エージェンシー】【脱領土化】の概念か。読んでも読んでも完全な理解はできなくて、今は自分の研究に使えるのか使えないのかをこねくり回している状態。たぶんこれから何度も読み返す一冊。2011/07/25

抹茶ケーキ

1
論文集。よく言及される「五つのスケープ」についての3章、売り物としてのノスタルジアについての4章、規律手法としてのクリケットに関する5章、現代の排外主義(広くとらえた意味での)が外部からの影響に対する反応であると論じた8章が特に面白かった。2016/09/03

★★★★★

1
インドはボンベイ出身の文化人類学者、アパデュライによるグローバリゼーション論。本書において彼は、グローバル化を民族・メディア・技術・資本・観念の五つのスケープからなる重層的な現象として捉える、件の有名な視点を提示して分析を試みています。アンダーソンの議論を下敷きにしながら、ネットワークの発展やディアスポラ化によって脱領土化が進む現代のナショナリズムを射程におきつつ、グローバルなフローとの相互作用において再生産されるローカル性を人類学的手法を用いて描き出す、って感じでしょうか。面白難しい。2009/10/31

ふるかわ

0
ひさびさに再読。90年代独特(?)の読みづらさはあるものの、中心-周縁ではなく、乖離的な5つのフローの場所や身体における見え方/現れ方の違いとしてグローバル化を捉える観点は、人類学者の面目躍如といった感じがします。2022/07/26

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