内容説明
なぜわれわれは差別や排除をやめることができないのか?!グローバル化時代の新たなレイシズムを暴く。
目次
邪悪や白人ナショナリスト(ナショナリストが行動に出るときの手の役割について;「ホワイト・ネイション」の幻想)
善良な白人ナショナリスト―ホワイト・ファンタジーとしての寛容な社会
ホワイト・マルチカルチュラリズム―エスニックな人々を正しく使用するためのマニュアル
ホワイト・ナショナル動物学―親‐アジア的共和国という幻想
西洋世界における「アジア」と白人性の危機
多文化的“現実”の封じ込め―「移民論争」からホワイト・ネオファシズムまで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
awe
3
ここ数年で最も衝撃を受けたと言っても過言ではないレベルの良書。ハージのどこまでもシニカルでクリティカルな分析と文体にやられた。まずレイシズムを分析する際には、レイシストの実践をむしろ「ナショナリストの実践」と見做して分析した方が良いという指摘が1・2章でされる。人種・エスニックマイノリティへの暴力といった行為が為されるとき、そこには往々にして「ナショナルな空間の管理者」としてのマジョリティが、当該マイノリティを「望ましくない」存在と見做したという文脈が見られるからである。単に、人種偏見を持っているからと2020/12/20