感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mealla0v0
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グローバリゼーションという世界的変容を可能にしたのは、実のところ、総力戦体制であった。山之内靖のこの確信によって編集された論集。非常に示唆的なのは、生井英孝のテクストで、かれは9.11後のアメリカを恐怖による総動員の体制と喝破した。しかも、それはスペクタクルによって、だと言って。また、Z.バウマンの論考では、「消費の美学」が分析されているが、それはまさに総力戦としての冷戦が可能にした社会構造=消費社会であった、とこの本の文脈で捉えると非常に有意な視座を提供してくれたように思えてくるのだ。2017/09/05