「悪口」という文化

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582427158
  • NDC分類 204
  • Cコード C0039

出版社内容情報

人類文化の中で悪口が担った役割とは? 日本の悪態祭や各地の歌合戦など実例を紹介。近代にてやせ細った「ことばの文化」を再考。

内容説明

悪口は流血の武闘に発展。だが一方、それは暴力を抑えるだけでなく共同体の「秩序」を維持した知恵だった。悪口の収まり方(実例、『浮世風呂』、落語「野崎詣り」など)。中山太郎「悪口祭」の再検討。イギリス、スペイン。メキシコ高地での悪口の実例。『御成敗式目』十二条とは?など、悪口の魅力的な役割。

目次

第1章 喧嘩・合戦に見る悪口
第2章 悪口祭
第3章 さまざまな文化における悪口
第4章 中世日本の悪口罪
第5章 悪口罪の特徴
第6章 秩序維持に役立つ悪口
第7章 スピーク・アウトと豊穣儀礼の社会的機能
終章 複雑な悪口の世界

著者等紹介

山本幸司[ヤマモトコウジ]
静岡文化芸術大学国際文化学科教授。1946年生。慶應義塾大学大学院経済史専攻修士課程修了。出版社勤務を経て、中央大学大学院国史学専攻博士課程単位取得。神奈川大学短期大学部・同大学院歴史民俗資料学研究科教授を経て、現職。専門は日本中世法制史・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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keint

8
悪口の文化を歴史学だけではなく民俗学的な視点も交えて考察している。著者の専門分野である鎌倉時代の裁判における悪口は様々な例があり参考になった。とくに事実でなければ悪口認定されないということは鎌倉時代だけではなくアフリカなど他国にも見られると知り興味深かった。また、歌合戦という分野で悪口を歌に乗せて相手の非を共同体内で広めることで公的制裁を行う文化が幅広い国々で認められるのも面白く感じた。しかし、自分が知りたかった死者への悪口(とそれを忌避する文化)に関する例はまったくなかった。2020/02/06

misui

2
喧嘩や合戦の場における悪口や、儀礼的な「悪口祭」を取り上げて悪口の社会的な意味を探る。共同体の観点から見れば、悪口は秩序を乱すものへの制裁ないしは排除であり、それと同時に秩序の維持強化をはかるシステムであった。原初的・自律的な制裁システムから近代的な司法・警察機構へと移り変わるとともに悪口が禁じられていく流れも興味深い。2010/05/08

らむだ

1
著者の専門分野である日本中世法制史を軸に、喧嘩•合戦における悪口、悪口祭、民俗学•文化人類学から見た悪口、中世日本の悪口罪、そして悪口の意味や役割等々、様々な観点から"悪口という文化"を考察した一冊。2014/02/08

チェリーブラボー

1
日本と世界各地の悪口実例を民俗学的、社会学的にとらえており、大変面白い。が、私が求めていた目的とはちょっと違っていたので、幾分流し読みをしてしまったのが残念。再度じっくり読めば、もっと面白みが増すだろうと思った。良書です。2010/07/31

メルセ・ひすい

0
13-15 赤30 暴力‥でも、まぎれもなく人を追い込み、殺人事件にまで・・も しかし、反面教師の場面が歴史的に記録され・・ 効力を評価される場面もある。日本各地の悪口祭・悪態の勝ち負けで豊凶を占う。鎌倉殿は武家法の御成敗式目で「悪口罪」を定めた。・「悪口」は、人類文化の中で一定の社会的役割を担ってきた。日本の悪態まつりや花祭、世界各地の悪口歌の掛け合い、太鼓合戦など実例を豊富に紹介。近代になってやせ細ってきた「ことばの文化」を再考する。2007/01/12

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