感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大臣ぐサン
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『文字逍遥』(1994)『文字遊心』(1996)所収。「遊ぶものは神である。神のみが、遊ぶことができた。」で始まる『文字逍遥』の冒頭は、私がこれまでに読んだ書物の中でも最高の書き出しだ。何年たっても色褪せることなく、感動をもたらしてくれる。難解を極める白川学のなかでも一般向けに書かれたエッセイということで比較的読みやすい文章であり、白川静の入門としては最適な書だ。特に、両書ともに第四章にあてられている「漢字の諸問題」は、より多くの人に読んでもらいたい。日本語と漢字の在り方について多くの課題が含まれている。2024/01/21