内容説明
あなたの夢は有罪ですか?漂流する宇宙船、月面に埋もれた石板、洞窟に消えた兄弟、跋扈する夢警察、どこまでも晴れ渡った草原の青空と、そして反転し続けるふたりの記憶…。夢から現へ、現から夢へ。ループする終わりなき悪夢の果ては?傑作ディストピア・コミック。
著者等紹介
フジモトマサル[フジモトマサル]
漫画家・イラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春が来た
30
夢のなかに誰がいて誰の夢を見ているのか。これは私の夢ということなのか。それとも夢のなかの誰かの夢のなかの私の夢なのか。 彼処と此方。 思い出した記憶は現なのか夢なのか、行ったり来たりに我を失う。不自由な夢に夢をみるひとりぼっち。夢みごこちにスイッチ切ればそこは自由。2019/09/25
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
30
フジモトマサルさんの漫画に登場するかわいい動物キャラクターは、かわいいのに不思議で、読んでいるうちに、どこか深いところへ連れて行かれそうになる。次々と夢から覚めても、また夢で、刑務所の中や、都会のマンションの一室、森の中、オフィス街に、宇宙まで……。遠い未来なのか、過去なのか、悪夢のようなのに、飄々としておかしい。2015/06/06
kasim
29
夢と現実がユーモラスに交錯する傑作。夢から覚める場面で始まる8ページの短篇の連続だが、どれも濃密で短編映画のよう。直前の物語が次の作品の主人公の夢だった、という入れ子構造になっている。登場するのはフクロオオカミとか山猫とか曲者だらけ。独特の絵はかわいいのに子供っぽくはない。物語は悪夢ばかりとも言えるようで言い切れない。しみじみ泣けるものもある。砂漠の上を飛ぶ巨大イカに乗って通勤したいな。2023/04/06
yumiha
24
題が「夢」なので、次々と夢をつないでいるストーリーなんだろうけれど、私には「前世」「来世」の言葉が浮かんだ。まるで『火の鳥』のような、時空を飛び越えてゆくタマシイのような。とても不思議なマンガだった。2016/06/05
チェアー
9
ココアを飲みながら読む。 動物たちが夢の入れ子のなかで、夢を見て過ごす。 文章で書いても伝わらないが、その絵が素晴らしい。 かわいい、というのでもなく、ひょうひょうと人間のように日々を過ごす。夢のなかで夢を夢見て。2020/11/08