内容説明
近代日本絵画は、ヨーロッパ絵画と接触するなかで何をなしえたのだろう。仏教伝来以来、外国文化に日本的感性と技術を織り込みつづけてきた。その経験が、21世紀の世界に日本人が貢献しうる可能性を示唆している。
目次
1 大陸文化の波(仏教受容と国家統一;生きつづける大和の心)
2 キリスト教文化との接触(南蛮文化の渡来;いまだ見ぬ外国を描く;キリスト教の流入;弾圧されたキリシタン;外来文化の「日本化」)
3 鎖国に開いた窓(江戸の洋学;三次元の世界を描写する;鎖国のなかの西洋)
4 近代絵画とその思想(真実へ迫る執念―高橋由一;技術としての写実―工部美術学校;西洋の画法と日本的感性―浅井忠;時代の脚光をあびた新技法―黒田清輝;日本洋画の流行と創造;苦闘する洋画家たち;日本画家たちの反応;近代画家たちの独創)