内容説明
微妙に移ろう表面の色合い、わずかに歪んだ形はすっぽりと手のひらに収まる。日本の茶陶は、中国やヨーロッパのやきものとは性格を大きく異にする。それは、草庵の茶室や侘び茶の心とも相通じる日本文化の特徴を物語る。
目次
1 “侘び”の器の誕生(渡ってきた唐物数寄;和物を培う創意;茶陶の歪み)
2 茶の湯の舞台装置(茶室への道のり;茶道具は当意即妙の造形;美学革命)
3 やきものの原点(楽家に伝わる技と心;形をつくる心の相承;対談 複雑で個性的な茶陶の世界 加藤周一・楽吉左衛門;日本文化の文法)