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保存修復の技法と思想―古代芸術・ルネサンス絵画から現代アートまで

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  • サイズ A5判/ページ数 333p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784582206432
  • NDC分類 709
  • Cコード C0070

出版社内容情報

これまで乖離していた技法と思想をつなぎ直し、現代美術にまで射程を広げることで新たな芸術の批評言語をも創造せんとする意欲作!

内容説明

近代保存修復学のパイオニア、チェーザレ・ブランデイの理論を軸に技法と思想をつなぎ直す。作品の価値とは何か、オリジナルとはいかなることか。現代美術にまで対象を広げ、芸術を語る新たな批評言語の創造へ向けた、気鋭の若手研究者/修復士による意欲作。

目次

序章 「診断」
第1章 洗浄の哲学―可逆性(「ここに、特定の「病気」は存在しない」;古色再考 ほか)
第2章 補彩の技法―判別可能性(「再び花開く」こと;作者を騙る―贋作、複製、偽造 ほか)
第3章 甦る芸術の生を求めて―適合性(素材のに調和へのまなざし;副次的なものと保存修復 ほか)
第4章 修復という「嘘/ファンタジー」―最小限の介入(介入倫理;「不変」の創造は可能か ほか)
第5章 欠落と証言のアーカイヴ―保存修復としてのドキュメンテーション(記憶し、救い出すこと;ドキュメンテーション制度の起源 ほか)
第6章 保存修復学再考―「修復は、一瞬の閃光ではない」(ブランディ『修復の理論』のアクチュアリティと応用可能性;日本とイタリア修復額学の交差 ほか)

著者等紹介

田口かおり[タグチカオリ]
1981年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。フィレンツェ国際芸術大学絵画修復科修了。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は保存修復史、修復理論。現在、日本学術振興会特別研究員。東京都市大学、甲南大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

60
著者の博士論文に加筆されたものであり、それだけレベルが高いという感じです。絵画などが好きで、画集のほかに藤田宜永さんの壁画修復士やコミックなどでの知識を仕入れたりしています。この分野での初めて本格的なものではないかと感じました。ただ西洋美術が中心なので日本のこのような分野も知りたい気がします。北森鴻さんの作品にもよく出てきますが。2015/08/08

クサバナリスト

7
朝日新聞の書評にあったので読んでみた。『保存』『修復』と言葉で表すのは簡単だが、その技術そのものより、そこには各時代の理論・思想があることを本著により知らされた。内容的には素人の私には難しかった。2015/09/20

T.Y.

5
美術品の保存修復について、科学的な分析や技術よりも、修復はいかなる方針に基づいて行われるべきかという理論を論じている。各章の主題は洗浄、補彩、復元と展示、メンテナンス、そして記録。いずれでもまずはチェーザレ・ブランディ『修復の理論』に立ち返り、そこから具体的な方針を引きだそうという傾向が強く、著者がブランディ派だなとは感じた。基本は作品の活きてきた歴史を尊重すること。主な題材は界がだが、現代美術の修復の問題も扱っている。巻末にバルディーニ『修復の理論』の抄訳を併録。2015/09/05

takao

2
ふむ2022/08/24

基山

0
素晴らしくよかった。今までの認識が180°変わるくらいの驚きだった。絵画の保存修復の歴史や技法だけでなく、タイトルにある通り現代アートの修復の問題にも繋がっていて深く考えさせられた。今やっている制作のインスピレーションまで得られた。とても勉強になる。★★★★★2015/11/07

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