出版社内容情報
1950~'60年代のオート・クチュール界を中心に、その時代背景をさぐりながら劇的な動きを見せるパリ・モード史を、豊富な図版とともに解説。
目次
第1章 ニュー・ルック誕生
第2章 50年代オート・クチュールの夕映え(パリ再び世界のモード首都に;爛熟した“芸術の季節”;アトリエの唄;華麗な脇役マヌカン族;「サンジカ」120年の歴史)
第3章 激動の60年代(変革の嵐;ヤングの爆発;プレタポルテの台頭;“タブーのないモード”時代へ;歴史を変えた“ミニ”革命;世界に広がる“カルダン帝国”;“モード界のプルースト”サンローラン;新星群像)
第4章 新しいページの始まり(ファッション・センターの多元化;クチュール組合の再編;70~80年代の歩み;世紀末から21世紀へ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
311
第2巻は第二次大戦後~1990年代まで。何といっても戦争が終わり、ヨーロッパ(とりわけパリ)はナチスの軛から解放されたことが大きい。モード界は伸び伸びと羽を広げることになる。最初の跳躍者はディオール。まさに平和な時代を謳歌するかの如く艶やかで軽やかである。続いて百花繚乱のように大勢のデザイナーたちが羽ばたいてゆく。ジヴァンシー、バレンシアガ、そして一世を風靡したカルダン。カルダンはあまりにも敷衍され過ぎたために(なにしろ便器のフタからトイレ用のスリッパまで)軽んじられがちだが、確かに天才的なデザイナーで⇒2023/06/08