内容説明
この巨大な都市には無数の人々が住んでいる。未来を夢見る少年。オルガン弾き。銀行強盗。引退寸前のボクサー。過去を抱えた美女…。日常からわずかにはみ出した奇妙な人間模様が絡みあう街―マンハッタン悪徳刑事がたどる運命の末路をツイストのきいた文体が綴る『見物するにはいいところ』、息子が殺人鬼だと気づいてしまった母親のある決断を描く『ランドリールーム』など、ジェフリー・ディーヴァーら当代一流の作家たちがそれぞれのスタイルでこの街に巣食う闇を描き出した、傑作短篇集。
著者等紹介
ブロック,ローレンス[ブロック,ローレンス][Block,Lawrence]
1938年ニューヨーク生まれ。著作の数は50冊を超え、MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、PWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、MWAグランド・マスター賞、CWA(イギリス推理作家協会)ダイヤモンド・ダガー賞など、錚々たる受賞歴をもつ、名実ともにミステリ界の巨匠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
75
日本の読者には馴染みのない作家の作品で構成されているのが特徴的だ。10名の作家は邦訳がなく、あっても1冊のみの未紹介作家の名前が並ぶがそれぞれが個性的でしかも読ませる。アメリカ作家の懐の深さを思い知らされた。原題にノワールとあるかもしれないが、全体的に物語は暗鬱でペシミスティック。個人的ベストはS・J・ローザンの「怒り」、ジャスティン・スコットの「ニューヨークで一番美しいアパートメント」、C・J・サリバンの「最終ラウンド」を挙げたい。本書は日本未紹介作家の佳作たちに触れる数少ないチャンスを与えてくれた。2016/09/12
GAKU
11
マンハッタンを舞台にしたミステリ作家たちによる15編の短編集。ローレンス・ブロック、ジェフリー・ディーヴァー、トマス・H・クックをはじめとする当代アメリカの人気作家たちが競作している。楽しめました。マンハッタンの闇の雰囲気も味わえます。2015/06/13
papico
10
大好きな街、ニューヨーク。実は、一般的にニューヨークと言った時、それは概ねこの狭い狭いマンハッタンを指す。狭いのに、ブロック毎に広がる文化と世間。その色とりどりさが魅力。その様子を直接見た人にとっては特に、この物語の想像が楽しいだろう。数十年前のニューヨークはマンハッタン、人種も坩堝なら、ドラマも坩堝だ。
stobe1904
6
【マンハッタンを舞台にしたノワール短編集】L・ブロック、トマス・H・クック、J・ディーヴァーなどベストセラー作家によるマンハッタンを舞台にした15の短編で構成されている。突出したものはないが、どの作品もマンハッタンの闇をたくみに切り取ったものでさすがの出来栄え。★★★☆☆2020/01/04
じょじょ
3
どれも期待外れ。ジェフリー・ディーヴァーまでつまらないとは思わなかった。2019/06/22