感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nina
34
死の黒縁に閉ざされたエロスは死者と生者のあわいを性器と吐瀉物と排泄物の入り混じる混沌に変え、暴力的なまでにあらゆる禁忌を亡き者にし、その高みに達する。凄まじい渇望は死へと向かわざるを得ないのか、死へと向かう渇望こそがエロスなのか。クラシカルながら破壊力抜群のポルノグラフィー掌篇『死者』に対し、第二次大戦前、1930年代後半のヨーロッパを背景にある男の魂の彷徨を描いた『空の青み』はより観念的であり、一人称の語りのせいか私的な色合いが強い。語り部のさ迷う歴史の影の世界、その陰鬱な荒々しさに思わず眩暈を覚えた。2015/03/13
はゃゃ
1
アンチヒューマニスティックでありながら、ある意味非常にロマン主義的な奇作。主体が過度に性的になることでエロティシズムは脱-性的なグロテスクへ転じる。そのグロテスクもサディズム/マゾヒズムによって猥褻と解釈される。その極致として、サディズム-マゾヒズム同化としての《死》により、逆説的に生の躍動を感じるのだ。2014/12/11
hechima1106
0
NC
ステラ
0
★★★★★2012/08/08
Stayc
0
「死と生が一体となる」というモチーフは読み取れた。しかしそれは一体、具体的にはどういうことなのか、また一体となるとどうなるのか…いまだ判然とせず。2011/06/15
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- 和書
- ガラスの壁 新潮文庫