出版社内容情報
上野・アメ横。繁、サモハン、ヤクショの３人はこの街で暮らす幼なじみ。仕事終わりにガード下の定食屋に集まるのを楽しみに生きている冴えない毎日だ。だが、通り魔に息子を殺されたという老人と知り合ったことで、アメ横の夜を守るべくガーディアンエンジェルを結成することに――。著者待望のストリートミステリー。
内容説明
上野・アメ横。冴えない青春を送る四人が、街を守るために立ち上がった！失踪した相棒を捜すダンサー、引きこもりのイケメン、嫌がらせに悩むヤクザ、商店街を脅かす“ハイカラ窃盗団”…。メインストリートの守護天使たちが遭遇する数々の事件と、その活躍を描く痛快青春ミステリー。
著者等紹介
石田衣良［イシダイラ］
１９６０年東京都生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社を経てコピーライターとして活躍。９７年「池袋ウエストゲートパーク」で第３６回オール讀物推理小説新人賞を受賞。２００３年『４ＴＥＥＮ』で第１２９回直木賞を受賞。２００６年『眠れぬ真珠』で第１３回島清恋愛文学賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りゅう☆
91
レンタルビデオ店員アポロ、古着屋を営むサモハン、区役所勤めのヤクショに生活支援施設で暮らす天才が加わって上野の夜にゴミ拾いや自転車の整理や酔っ払いの介抱するガーディアン活動を始める。緑家の電化製品の片付けや、脱シンナー男を立ち直らせたり、嫌がらせの犯人捜索をヤクザに頼まれたり、拉致されたダンス仲間を探したり、窃盗団の手引きを捕まえたり、５年前に命奪われた事件の目撃者情報を募ったり。危険が伴うこともある。警察のような権限もない。夜の街を地道に守るためにパトロールを続けるってなかなか真似できることではないね。2020/09/22
パフちゃん＠かのん変更
79
アメ横のガーディアンの話。石田衣良の本は11冊目。ハッピーエンドで安心して読めます。爽やかで読後感がいい。ただし、実際はこんなに上手く行かないと思うけれど。口数は少ないけれど冷静で頭がいいアポロは威張らなくてとてもいい感じのリーダーだし、最初はどうかと思っていた「ノリスの家」の天才もまっすぐで素直で持ち味を出していた。2014/02/10
文庫フリーク＠灯れ松明の火
79
池袋トラブルシューターに対して、こちらは上野ガーディアン。キャラ的には〔天才〕が好きだが『燃えよ！デブゴン』由来の〔サモハン〕がツボ。２０年以上前、東京暮らししたビンボ学生＆会社員には衣類調達、渋谷よりアメ横がお馴染みだった。忍ばず口の独特な匂い。募金箱抱える人・アンケート装ったキャッチセールス・自衛隊の勧誘・おやっさんの『らっしゃい、らっしゃい、安いよ〜』の塩辛声。質流れ・バッタもんのブランド。雑だけどぶらつく内に仕上がる裾上。個人的回想できた分楽しめた。一番通いつめたのは、やはり神保町。(^^ゞ2011/02/17
zero1
50
池袋駅での立教大生殺人事件（９６年）が本書のきっかけだろう。犯罪を憎む気持ちが石田の筆を走らせたか。IWGPより地味な「三匹のおっさん」若者版。しかも活動は地味。町を見守るガーディアンは上野アメ横にいた。リーダーとなったアポロこと繁の目線で描かれる。仲間三人とともにパトロールする。石田らしく内容は甘い。ヤクザが絡んだ事件や女性ダンサー失踪の話など、「きれいごと」とご都合主義が残念。現実はもっと厳しいはずだ。しかし、その甘さこそが石田の持ち味。読者に飽きられるまで自分の路線を貫くのも彼らしい選択かも。2018/11/23
はっぱ
31
アポロ、ヤクショ、サモハン、天才は、ひょっとした事から、上野のアメ横の風通しを良くする事を手掛ける様になる。４人揃いのチームの青いベレー帽と青いサテンのスタジアムジャンバーを身に着けたガーディアン達。アメ横の放置自転車を片付け、酔っ払いを介抱して、落ちてるゴミを拾って、夜の街を地道に守るガーディアン活動を通じて、どんどん知り合いが増えていくのが面白かった。そして、４人は色々な事件を解決していく事になる。2018/01/08
