人を殺してみたかった―愛知県豊川市主婦殺人事件

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575293203
  • NDC分類 368.7
  • Cコード C0095

内容説明

二〇〇〇年五月一日、愛知県豊川市の無職男性(六七)の妻(六四)が、自宅に侵入した、当時一七歳の男子高校生に刺殺された事件。翌日の二日、JR名古屋駅交番に出頭した少年は豊川市の私立高校に通う高校三年生で、豊川署捜査本部の取り調べに対し、「人を殺してみたかった」と動機を明かした。浮遊する17歳の殺意。不可解な「経験殺人」という動機。事件の深層に迫る渾身のノンフィクション。

目次

第1章 殺意
第2章 逃走
第3章 動機
第4章 家族
第5章 審判
第6章 課題

著者等紹介

藤井誠二[フジイセイジ]
1965年名古屋市生まれ。ノンフィクションライター。高校在学中に「愛知の管理主義教育」を告発する社会運動に参加。その記録を卒業と同時に出版し、地元で大きな反響を呼ぶ。上京後、週刊誌記者などを経てフリーに
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

24
被害者が可哀想でたまらない。年寄りだから若い人を殺すよりは良いと思ったからだと?ちょうど私の母親と近い年齢である。決して殺されていい年代ではなく、子供が巣立ち、孫が生まれ、まだまだたくさんするべきこともあっただろうし、楽しみもあったはずだ。殺害の描写はあまりにおぞましく残虐で、被害者の恐怖や苦痛を思うと泣きそうになった。2012/08/23

金平糖

12
2000年5月1日に、愛知県豊川市で自宅に侵入して来た17歳の少年に表題の動機で64歳の主婦が惨殺。 帰宅した夫も重傷を負わされた事件のノンフィクション。奇しくも御命日に読了。少年法という大きな壁により遺族は動機も知らされず、その悲しみや苦しみを思うとやり切れない。しかし、果たしてその動機を本人以外の誰が、理解できるのか?少年は耳慣れない病名をつけられ、医療少年院に送られ、その病名を診断されていた人たちへの、いわれのない差別も招く。適切なプログラムのもと、治療が行われ、更正となるのか?2006/05/01

Humbaba

9
体験しなければわからないことは確かにある。ただし、体験すべきではないことも存在する。善悪は理解していても、自分との関わりのない人間であればそれを超越できてしまう。知りたいという好奇心を持つことは人間の魅力の一つだが、他者に迷惑をかけないという大前提は見失ってはいけない。2013/05/29

Riopapa

7
一見、普通の少年が犯した犯罪。アスペルガーという診断であり、ハイティーンで犯罪を犯した少年少女に共通して見られる特性。とは言え、同じ特性を持つ大多数の少年少女は普通に生活しているわけだから、そこだけに原因を求めるわけにもいかず。2015/08/22

オレオン

7
佐世保の事件が無ければ、おそらく読むことが無かった本。著者がこの本で取り上げた豊川市の事件と佐世保の事件の共通点を指摘していたので手に取りました。第一章で犯行の余りの壮絶さに絶句。読了するもなんとも荒涼とした気持ちです。殺してはいけないと言う理性は、他者とつながる共感があって初めて成立する。そこが壊れていると殺すなというメッセージは実効性を持たない、と言う著者の指摘に慄然とする。2014/08/06

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