内容説明
「あんたなんか母親じゃない。おれはあの日以来、あんたのことを母親と思ったことは一度もない」尊属殺人の嫌疑をかけられながら、児童福祉法の厚い壁に守られ裁かれなかった少年。当時12歳。引き裂かれた母と息子は5年の歳月を経て、再び出会った。「それが、おまえの復讐なのか」戦慄の“父親殺し”、狂気の暗黒小説。
著者等紹介
永瀬隼介[ナガセシュンスケ]
1960年、鹿児島県生まれ。国学院大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーに。本名の祝康成名義でノンフィクション作品『十九歳の結末一家4人惨殺事件』『真相はこれだ!』(共に新潮社)など。2000年、『サイレント・ボーダー』(文芸春秋)で小説デビュー
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感想・レビュー
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むう
16
最近お気にの永瀬さん^^ 例によって「かっぱえびせん」で一気に読了(笑)。 で、今までで一番キツかったです、まるで馳星周さんを読んでるみたいにノワールでバイオレンス満載xxxx。こういう作風もお持ちだったんですねzzz。ヤクザと女優、どちらも同じ「アッシュロード」を歩んでる…。ヤクザが大嫌いな興梠の狂言廻しも効いてますね。でも、暴力で次々と人が殺され続けてると、最後はどこか麻痺しちゃうっていうか、一種の悪魔的な魅力に惹きこまれた感が残る一作です。バイオレンス耐性のない方は決して読んではいけません(笑)。2017/02/17
詩界 -うたか-
9
#読了◆12歳で父親殺しのレッテルを貼られたマサユキは容疑を否認したまま児童養護のカウンセリングを経て17歳で家に戻ってきた。彼は居場所を求めてヤクザに入ろうとする。彼の母親である律子は元女優で父も人気俳優だった。芸能界からヤクザの抗争へ発展する――◆ラストはそっち側?となり、律子が終始好きになれなかった。2020/07/15
asa.com
8
暴力団の抗争と、それに巻き込まれた母子の物語。 12歳の時に父親を殺したと疑われるが不起訴となった少年と、息子が殺人犯と怯えて暮らす母。 気持ちの断絶が悲劇を生み出す。。。 少年の性格描写もはっきりせず、母の態度も煮え切らない。 そして必要性もなく嫌な描写が多かったなぁ~。 筋がどこにあるのか分かりにくかったです。。。 残念!!2014/01/11
terukravitz
4
★★★★☆2021/02/09
鈴と空
4
ちょっと期待しすぎたか…。印象に残るのがリンチや殺しの凄絶さばかりで。「母親だとは思わない」その理由もさほど…。2010/04/04