内容説明
深い森のなかに、親子のシカが住んでいました。ある晩、子ジカが流れ星を追いかけて、見知らぬ世界に迷いこみます。それは、一夜の出来事とは思えないくらいふしぎな冒険でした。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙@5/19文学フリマQ38
75
千住博さんの青の美しい絵本です。文字はありません。流れ星に連れられて一晩だけの冒険をした子鹿の物語です。夜空の青。川の流れの青。湖の青。満天の星が水面に映ります。そして一夜の冒険を終えて迎えた暁のオレンジがとても印象的です。2022/05/22
ぶんこ
64
日本画好きと言いながら、千住博さんを音楽家(弟の明さん)が絵本を出されたと思っていました。夜の青の美しさ。水辺にうつる星々も美しい。幽玄の世界に迷い込んだ子鹿。ちゃんと戻れるかなと心配になりながらも、素晴らしい夜を体験できていいなぁ。表紙にもなっている湖に佇む子鹿の絵が一番好きでした。軽井沢の美術館にも是非行ってみたくなりました。2023/02/08
モリー
59
おやっ、星が流れたぞ。落ちた星を見つけに行こう。子鹿は好奇心を抑えられませんでした。星の流れた方を目指して出発です。ここはどこ?どうやら人の住む街に迷い込んでしまったようだ。星はどこに落ちたのかなあ。あてどなく彷徨いはじめた子鹿は不安になりました。お父さんお母さんといた場所からだいぶ離れてしまったぞ。これから先、どこへ向かえばいいのだろう子鹿は再び空を仰ぎます。その時でした。別の星が流れたのです。そうだ、とにかくあの星が流れた方を目指そう。子鹿は不安を抑えられず、歩みは自然と早くなりました。↓コメントへ。2023/02/12
あつひめ
56
星が瞬くソラを一筋の流れ星。その星を追って親から離れて迷ってしまう一晩。その濃淡のある空や森、人の住む世界・・・小鹿の心のドキドキがこちらにも伝わってきそうで・・・。言葉はなくとも小鹿の歩いたところが地図のように描かれている。それをみながら、あ~~~そっちはだめよ・・・とか届かない声を発している私。森の生き物の気持ちを人間の好き勝手で踏みにじっているような気がしている今日この頃なのでどうにも切ないと言うか胸が痛いと言うか。親元に戻れたことでホッとしたけど、人間と動物の共存・・・永遠のテーマかもしれない。2012/10/05
♪みどりpiyopiyo♪
48
深い森のなか。ある晩、子鹿が流れ星を追いかけて、見知らぬ世界に迷いこみます。… ■夜の青が美しい絵本を読みました。野山に生きる彼らには、この世はどのように見えるのでしょう。■作者の千住博さんは日本画家。顔料が放つ落ち着いた色、夜空の青と 水の青。宇宙と生命の神秘を感じさせる美しい絵。■子鹿には、一夜の出来事とは思えない 忘れられない体験となったことでしょう。(1994年)2018/09/18