出版社内容情報
教皇、皇帝、国王、貴族という一握りの特権階級が支配者だった頃のヨーロッパ。人々は「人殺し」に明け暮れていた。彼らの日常は「戦争」とは異なる、単なる殺し合い。平和は束の間の安らぎにすぎなかった。血に飢えたライオンよりも野蛮な世界である。この「国」という概念すらない16世紀に生まれながら、「戦争にも掟(ルール)がある」という英知を著す信じ難い学者がいた。その名もフーゴー・グロティウス。彼の思想はのちにウェストファリア体制として実り、国際法の原型となる。天才グロティウスが混沌のなかに見出した「法」を日本一わかりやすく読み解く。なぜ日本人が『ウェストファリア体制』を学ぶべきか。第一の理由は、『ウェストファリア体制』が日本人が野蛮な世界で生き残るのに必要な武器だから。第二は、この掟(ルール)が日本人の手によって全人類が守るべき文明の法となったからである。この事実を知らないことが日本の罪なのである。
内容説明
教皇、皇帝、国王、貴族という一握りの特権階級が支配者だった頃のヨーロッパ。人々は「人殺し」に明け暮れていた。彼らの日常は「戦争」とは異なる、単なる殺し合い。平和は束の間の安らぎにすぎなかった。血に飢えたライオンよりも野蛮な世界である。この「国」という概念すらない16世紀に生まれながら、「戦争にも掟がある」という英知を著す信じ難い学者がいた。その名もフーゴー・グロティウス。彼の思想はのちにウェストファリア体制として実り、国際法の原型となる。天才グロティウスが混沌のなかに見出した「法」を日本一わかりやすく読み解く。
目次
第1章 偉大な天才・グロティウス、その悲劇の生涯(殺し合いが日常の世界;その頃、“国”という概念はなかった ほか)
第2章 なぜ宗教戦争は悲惨な殺し合いになるのか?(「ウチは宗教じゃないから」が最も危険な宗教;「汝の隣人を愛せよ」は危険な教え ほか)
第3章 なぜ『戦争と平和の法』は必要とされたのか(馬の耳に念仏、血に飢えたライオンに国際法;「みんな、神様を信じているよね」 ほか)
第4章 「ウェストファリア体制」の現実(玉座の上の最初の近代人;「ウェストファリア体制」の成立は一九〇七年だ ほか)
第5章 日本人の世界史的使命(大日本帝国の取り返しがつかない愚かさ;国際法をわかっていた根本博中将 ほか)
著者等紹介
倉山満[クラヤマミツル]
1973年、香川県生まれ。憲政史研究家。96年、中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員として、2015年まで同大学で日本国憲法を教える。12年、希望日本研究所所長を務める。同年、コンテンツ配信サービス「倉山塾」を開講、翌年には「チャンネルくらら」を開局し、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交について積極的に言論活動を展開している。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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