PHP新書
iPS細胞が医療をここまで変える―実用化への熾烈な世界競争

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569830957
  • NDC分類 463
  • Cコード C0247

出版社内容情報

iPS細胞による再生医療や新薬の実用化に向け加熱する世界の開発競争を、京大iPS細胞研究所が詳報。課題と夢の未来像が明らかになる!

山中伸弥[ヤマナカシンヤ]
京都大学iPS細胞研究所所長

京都大学iPS細胞研究所[キョウトダイガクアイピーエスサイボウケンキュウジョ]

内容説明

山中伸弥教授がマウスiPS細胞の作製成功を発表したのは2006年のことだったが、それからiPS細胞を用いた再生医療や創薬研究は、加速度的に進んでいる。これまでは日本がリードしてきたが、しかし世界各国の追い上げも急だ。本書では、実際に各国でiPS細胞関連の研究をしている著名な研究者を訪ね、ルポルタージュ形式で研究最前線をレポート。また、代表的な疾患について、iPS細胞を用いた最先端研究の進捗状況を紹介し、iPS医療実現への道のりを探る。世界的な大競争の中、日本はリードを守れるのか?“夢の医療”の実現への希望と課題を浮かび上がらせる。

目次

序章 iPS細胞とはどのようなものか―研究ことはじめ、そして広がる可能性(そもそもiPS細胞とは何か;iPS細胞の可能性と課題)
第1章 iPS細胞研究最前線―CiRAでどのような研究がなされているのか?(京都大学iPS細胞研究所(CiRA)とはどのようなところか
多様なサポートで研究の進展をめざす)
第2章 熾烈さを増す世界的な研究競争―アメリカ編(まだ治療法のない主要疾患を克服する―グラッドストーン研究所;西海岸の「頭脳の聖地」―スタンフォード大学;州立の研究資金の砦―カリフォルニア再生医療機構(CIRM)
研究に大きな影響力を持つNPO―ニューヨーク幹細胞財団(NYSCF)
トップレベルのイノベーター―ハーバード幹細胞研究所)
第3章 熾烈さを増す世界的な研究競争―ヨーロッパ・アジア編(ノーベル賞の国の世界屈指の研究機関―カロリンスカ研究所;幹細胞分野でのサイエンス・コミュニケーションの先端―ユーロ・ステム・セル;科学分野でも有能な人材を集める―シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)
産婦人科医院から始まった研究センター―韓国・CHAヘルスシステムズ
「iPS細胞戦国時代」に日本はいかにリードを保つか)
第4章 iPS細胞での治療が期待される主要疾患―再生医療と創薬研究(現在、疾患ごとにどのような研究が進んでいるのか;目の病気について;神経の病気について;筋肉や骨・軟骨の病気について;内臓の病気について;その他の病気について)

著者等紹介

山中伸弥[ヤマナカシンヤ]
1962年大阪府生まれ。1987年神戸大学医学部卒業後、1993年に大阪市立大学大学院医学研究科博士課程修了。米国グラッドストーン研究所博士研究員、奈良先端科学技術大学院大学教授等を経て、2004年京都大学再生医科学研究所教授。2010年4月から同学iPS細胞研究所所長・教授。iPS細胞作製の成功により、2012年ノーベル生理学・医学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

88
ハンチントン病が解決するかも。あまり皆さんはご存知ないかも知れないが、この舞踏病とも呼ばれる遺伝性の病気は、日本人には百万人に5人の割合と低いが、世界的には多いらしい。この病気の方が前の会社でおられ、その進行を見てた身としてはこの奇病と言われる病気を始め、様々な病気が治る可能性を秘めているのなら単純にスゴイと思う。その他、読み物としては非常に軽く、かつ、荒いが、ES細胞とIPS細胞の違いや倫理観による各国の取組の相違等勉強になった。なかでも、人材のハブ政策をとるシンガポールの取組は興味深いものがあった。2016/09/25

佐島楓

70
もし山中先生がノーベル賞を受賞していらっしゃらなかったら、ここまでの日本での研究成果は望めなかっただろう。まだ市井には埋もれてしまっている基礎医学研究はたくさんあるはずで、研究費の捻出に苦心している研究者も多いはず。そういう方々にこそ投資をしていかないと、日本の未来は明るくならないのではないだろうか。特に外国の事例を読んでいて強くそう思った。2016/09/13

けんとまん1007

32
iPS細胞、ES細胞の研究について、歴史・現状・課題などが、平易な文章で書かれている。おかげで、予備知識のない自分にも、ある程度のことが理解できるのが嬉しい。必ず出てくるのが、倫理という言葉と、政治の影響。とても難しいところ。しかし共通するのは、そこにたずさわる人たちの思いの大きさだと思う。そこで考えたこと。病気・病とはいったいどういうことなのだろうかと。身体的、精神的なことも含めて。必ず、なにがしかの原因はある。その解明と手当。人とは何か・・・までたどり着く。2018/01/17

春風

16
京都大学iPS細胞研究所(CiRA(サイラ))における研究の紹介と、世界のiPS細胞研究の“今”を取材している。iPS細胞自体に関しては30頁程度で紹介され、がん化リスクの低下などの現況も紹介される。様々な施設・研究者が取材されており、研究にもお国柄がよく出ていると感じた。シンガポールでは、アジア通貨危機を経て、より安定的な産業としてバイオ医学分野に力が注がれているという。経済に力点を置くため、打率の低い創薬よりも、診断・医療機器に研究対象がシフトしているというのが興味深かった。2017/02/05

赤い熊熊

10
日本では幹細胞として、iPS細胞が主流でかつ知名度が高いが、世界的には先行しているES細胞のほうが研究が進んでいるらしい。日本でiPS細胞の研究が進んで、今まで治療出来なかった病気が治るようになることに、われわれは正しく期待しながら、研究環境を整えるための世論を形成していかなければならないですね。われわれ自身と子供たちの未来のために。2018/10/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11095649
  • ご注意事項