• ポイントキャンペーン

PHP新書
後白河上皇―「絵巻物」の力で武士に勝った帝

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 260p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569804163
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C0221

出版社内容情報

中世屈指の情報収集能力を誇った”大天狗”後白河。情報の源は何と「絵巻物」と「今様(はやりうた)」!? デジタル復元が謎を解く!

【著者紹介】
デジタル復元師

内容説明

平清盛、源頼朝など、新興武家棟梁が権力を握りはじめた時代。彼らと互角以上に渡り合った「大天狗」後白河上皇なかりせば、今の天皇制は大きく変容していたかもしれない。武士が後白河を蔑ろにできなかったのは、彼が一風変わった「情報源」を持っていたからだと著者は見る。その情報源とは、絵巻物である。後白河がつくらせた絵巻物の往時の姿をデジタル復元してみれば、「策略家」とは思えない後白河の本当の姿、そして、絵巻物に時代を動かす力があるということがわかってきたのだった。

目次

第1章 怪しき帝の生涯(複雑な生い立ち;天皇になったのは二十九歳 ほか)
第2章 非人ネットワーク(井上靖の後白河像;描きたかった良心 ほか)
第3章 天皇と天王(京都の街角で;もともとは別の神 ほか)
第4章 天皇は死んだ(謎の絵巻物「目無経」;発見された特異な場面 ほか)

著者等紹介

小林泰三[コバヤシタイゾウ]
1966年生まれ。89年、学習院大学卒業時に学芸員の資格を取得。同年、大日本印刷株式会社に就職。展示用ハイビジョン番組制作を手掛け、「狩野派の屏風・花下遊楽図屏風」などで数々の賞を受賞。04年、小林美術科学を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こぽぞう☆

21
後白河上皇がどんな人だったのか?とゆーのは幾多の本に書かれていることで、ここでもなんだか変な着地だった。ただ後白河上皇があのような人物でなければ、現代の天皇制もなかったかも。一方、絵巻物の復元、解説はとても面白かった。絵巻物が美術館などでだーっと横長に展示してある物しか知らないと、繰りながら見ていくワクワク感がない。漫画のページをめくらずに、並べてあるのを見るような?あちこちで知る平安時代の絵巻物の多くが後白河上皇の発注によるものだということもこの本で知った。2016/05/05

のら

1
絵巻物のデジタル復元専門家である著者独特の視点で書かれた本。後白河が非人(遊芸者、下級僧侶、元犯罪者、貧困層、病人)の情報網を持っていたという発想はなかった。素晴らしい。当時は江戸期の非人と異なり差別の対象ではなく、穢れを祓う役目を司っていたらしい。だけど「スパイ系情報網ではなく庶民を理解する程度のもので庶民の人気を掴んだ」との辺りから、えー、そんなんで頼朝に勝てるの? と疑問がつきまとう。前半が面白かったので着地が残念。図解たっぷり後白河コレクション本にした方が良かったのでは。2015/12/31

脳疣沼

1
面白かったけど、資料が少ないがゆえになんとでも言えるってだけだった。こういう人格の人だった、というのは分かりようがない。最後のニーチェがなんたらかんたらはイラナイ。2013/12/08

Stella

1
後白河上皇の「異形の王権」を、「今様狂い」や絵巻物プロデューサーとしての視点から見る。ボストン美術館展で「吉備大臣入唐絵巻」などの絵巻物を見た後なので、いろいろと腑に落ちた。 網野善彦先生は後白河上皇を中心に語った本ってあったかな。2012/06/06

あおぎりさんでりあー

0
デジタル復元師である著者ならではの視点から「今様ぐるい」と称された後白河の生涯を軸に当時の人々の生活が分かりやすく説明されており山川の図録を見ながら楽しく読めました。今までとは一味違う後白河の人物像解釈は賛否両論ありそうですが、それを差し引いても小説のように手軽に読めるので日本史好きの方にはおすすめです。2015/11/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4760339
  • ご注意事項