出版社内容情報
伝染病により「唇を合わせること」が禁じられた世界。先輩の死はその病によるものか？一人の少女が辿り着いた甘く残酷な真相とは。
【著者紹介】
作家
内容説明
感染から数週間で確実に死にいたる病。その驚異的なウイルスの感染ルートはただひとつ、唇を合わせること。かつては愛情を示すとされたその行為は、現在は国際的に禁じられ、封印されている。ここは、外界から隔絶され、純潔を尊ぶ全寮制の学園、リセ・アルビュス。平穏な学園生活は、一人の女生徒の死をきっかけに、一変した。「彼女の死は、“あの病”によるものらしい」と、不穏な噂が駆け巡る。不安と疑惑が増殖する中、あまりに謎めいた“犯人”探しが始まる―。特別書き下ろし短編「夕映えの向こうに」を収録した新装版。
著者等紹介
近藤史恵［コンドウフミエ］
１９６９年大阪生まれ。１９９３年に『凍える島』で第四回鮎川哲也賞を受賞し、作家としてデビュー。以後、歌舞伎に題材をとった作品から臨場感にあふれたスポーツミステリーまで幅広い作品を発表しつづけている。２００８年には『サクリファイス』で第十回大藪春彦賞を受賞、また、本屋大賞２位にも選ばれた（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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Ikutan
43
全寮制の高校で憧れの先輩が死んだ。原因は、キスすることでのみ感染し、発症すると100%死に至る怖い伝染病。感染させるのは、この病気のキャリアのみ。そしてキャリアか否かを調べる術はなし。という不思議な設定のミステリー。キスが禁忌の世の中で、初めは嫌悪していた主人公がその魅力に気づいていく。閉ざされた全寮制の学園という設定、薔薇も百合も教師と生徒も…キラキラした甘美な世界がぴったりですね。近藤さんらしくサクサクとテンポよく読めて、主人公が行き着く意外な真実にドキリと。面白かったです。2015/05/04
七色一味
40
読破。YAの棚から抜き出してきた本。が…。まぁ、いいんですけどねぇ～。BL＆百合テイスト満載な、ジュブナイル版耽美的学園SFミステリー青春小説。最初の版は、民事再生法に引っかかって部数がそんなに流通しなかった模様。本書は別会社から同じスタッフの手で出版された物です。ジュブナイルということで作品背景はかなり割愛されている雰囲気があって平板的。こちらの版には、特別書き下ろし短編がついているが、こっちがモロBLですがね…。いいのかね、これって（笑）2012/12/04
えりこんぐ
28
キスで感染する致死率100%の伝染病。冷たく閉ざされた全寮制の高校。なんかこの設定好き(´∀｀=) 一気に読んでしまった。面白かった〜。2015/03/30
マイマイココア
26
キスする事で感染する病気。感染したら、致死率は100パーセント。そんな病気で死亡した織絵。仲のよかった美詩は何故織絵が病気に感染したのかを探っていく。少女漫画になりそうな話だった。2016/04/06
えみりん☆
26
奇想天外な伝染病、何十年先かには新種の伝染病ウィルスも発見されるかもしれない。全く０％とは言えないけど、でも発想が面白い。高校生の閉ざされた同性愛を絡め、ちょっぴり拒絶反応とともに物語は進む。最期はおじさんそこ？みたいな感覚が哀しい。おまけの短編はお口直し、スッキリしたところで、この本の出版は大変だったらしいこと、この本に出会えたこと、素直にうれしく思う。2015/09/23
