PHPサイエンス・ワールド新書<br> 粘菌 その驚くべき知性

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PHPサイエンス・ワールド新書
粘菌 その驚くべき知性

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  • サイズ 新書判/ページ数 198p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569777863
  • NDC分類 473.3
  • Cコード C0245

出版社内容情報

知の巨人、南方熊楠もビックリ! 「単細胞」の粘菌が迷路を解き、ハムレット的逡巡までする。粘菌の知性をカーナビや鉄道網に応用する。

●まえがき 
●第1章 単細胞の情報処理 
●第2章 粘菌とはどんな生きもの? 
●第3章 粘菌が迷路を解く 
●第4章 危険度最小化経路探索とカーナビへの応用 
●第5章 餌場ネットワークの多目的最適化とインフラ設計 
●第6章 周期変動の予測と想起 
●第7章 迷い、選択、個性 
●第8章 intelligenceと知性 
●あとがき 
●参考文献

内容説明

「知性とは発達した大脳皮質をもつ生きものだけが持てるものである」。この常識に日本人研究者が「待った!」をかけた。脳はおろか、細胞同士をつなぐ神経系もない、単細胞でアメーバ状生物の粘菌が迷路で最短ルートを示し、時間の記憶を持ち、ハムレット的逡巡を見せた後、ある判断をする。立派に知性を持つといえるのではないか!この驚きの結果は、いま世界中で注目の的。知性とはなにか、意識とはなにか、身体とはなんなのか、大きな波紋を投げかけている。

目次

第1章 単細胞の情報処理
第2章 粘菌とはどんな生きもの?
第3章 粘菌が迷路を解く
第4章 危険度最小化経路探索とカーナビへの応用
第5章 餌場所ネットワークの多目的最適化とインフラ設計
第6章 周期変動の予測と想起
第7章 迷い、選択、個性
第8章 intelligenceと知性

著者等紹介

中垣俊之[ナカガキトシユキ]
1963年愛知県生まれ。北海道大学薬学研究科(修士)。5年ほど製薬企業に勤めた後、退職。通信制高校で化学を教える一方で、名古屋大学の大学院で数学を学び直す。名古屋大学人間情報学研究科修了(学術博士)。理化学研究所に勤務していた2000年9月、「アメーバ状生物の粘菌が迷路の最短ルートを解く」という論文を「ネイチャー」に発表、話題を呼ぶ。北海道大学電子科学研究所准教授を経て、2010年4月より公立はこだて未来大学システム情報科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うりぼう

28
粘菌の存在を知ったのは、南方熊楠の本を読んでいたときに彼が研究の対象にしていた。複雑なものを研究するよりも面白いものがあるのだろうなと思った記憶が。その面白さが結実している。イグ・ノーベル賞にふさわしい?数億年の生命としての歴史を持つ単細胞生物は、その生存能力に於いて卓越した能力を持っている。それは、全ての細胞にその能力を持ちうるということ。私達一つひとつの細胞も独自に生き抜く力を持つ。それを信じ、その細胞が最も活性化される状況を作ることが、生きる力を最大に発揮する。意識だけに頼らなず、無意識をも活用する2012/10/02

にしがき

16
👍👍👍👍 粘菌といえば、風の谷のナウシカくらいしか知らなかったが、気になる存在ではあった。でもまさか、単細胞生物なのに迷路を解いたり、周期的な刺激を予想したり、嫌いなものに対して接近を迷うような行動をするとは驚きだった。しかも、本書では、その行動がどう引き起こされるのか、(推定のものもあるが)物理的-化学的に説明しているところが良い。「知性」についても著者の考える定義が示されているのも良い。/生物は小さのも大きいのも、物理現象の固まりなのか。2021/10/02

土瀝青

16
図書館本。粘菌をキノコの親戚みたいなものなのかなどと、適当に考えていた。まったく違っていた。単細胞生物とバカにできない。自分、なんか負けてる気がする(笑)2016/10/23

paluko

5
読み友さん推薦本。複数の点を結ぶルートの「粘菌解法」は経済性と正確性を適度にミックスしたごくごく妥当な結果を出力、JRの路線ネットワークと同程度の総合点を叩き出す! また粘菌に周期的な刺激を数回にわたって与えてやると、「次の刺激」がくると思われるタイミングで予期行動(立ち止まる)を起こすとか……。粘菌スゴイ、なのか、人類それほどスゴくない、なのか。実際この目で粘菌の振る舞いを目撃したら、知性とはいったい何なのか考え込んでしまうだろうなあ。2020/08/04

K K

5
なかなか難解。 アメーバは原始的に知性をもつというのは驚き。 Psychic life of micro organism、微生物の精神生活は読んで見たい。 昔は神経なしに情報処理をしてきたというのは知らなかった。 粘菌が一番好きなのは有機栽培で、麦粒そのままを昔ながらの素朴な工程で作ったものというのは物事の本質を表している。人間はつくづく本質から外れてますね。 危険度最小化問題というのは興味深いが、方程式が非常に難しかった。2017/06/21

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