PHP新書<br> 対論・異色昭和史

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対論・異色昭和史

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  • サイズ B40判/ページ数 261p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569705736
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0220

出版社内容情報

昭和を振り返り左右を超えた歴史観を提示する。

戦後日本を代表する思想家と保守派ノンフィクション作家が昭和史を振り返る。左右のイデオロギーを超えた歴史観を提示する刺激的対論。

雑誌『思想の科学』への投稿がきっかけで交流が始まった二人。半世紀ぶりに再会し、語り合った昭和の記憶とは? 鶴見氏は、昭和三年の張作霖爆殺事件の号外を覚えているという。八歳年下の上坂氏が、戦前から戦後の体験談について、根堀り葉掘り質問をぶつける。「米国から帰国したのは愛国心かしら?」と問う上坂氏に、「断じて違う!」と烈火のごとく否定する鶴見氏。一方で、「戦時体制にも爽やかさがあった」と吐露する上坂氏に対して、「私もそう感じた」と応える鶴見氏。やがて議論は、六〇年安保、べ平連、三島事件、靖国問題へ。六〇年安保のデモ行進に誘われた上坂氏は「後にも先にもデモに参加したのはあれが初めて」と。その後、ノンフィクション作家として自立してゆく上坂氏の原点に、鶴見氏らとの交流があったというのは興味深い。現在では護憲派、改憲派という立場を異にする二人だが、いまだからこそ訊ける、話せる逸話が尽きない。圧巻の一六五歳対論!

●はじめに ――上坂冬子 
●第一章 戦時下の思い出 
●第二章 戦時体制下の暮らし 
●第三章 戦後日本をあらためて問う 
●第四章 「思想の科学」の躍動ぶりと周辺の事情 
●エピローグ 教育とは、そして、死とは

内容説明

雑誌『思想の科学』への投稿がきっかけで交流が始まった二人。半世紀ぶりに再会し、語り合った昭和の記憶とは?「戦時体制にも爽やかさがあった」と吐露する上坂氏に対して、「私もそう感じた」と応える鶴見氏。一方で、「米国から帰国したのは愛国心かしら?」と問う上坂氏に、「断じて違う!」と烈火のごとく否定する鶴見氏。やがて議論は、六〇年安保、べ平連、三島事件、靖国問題へ。護憲派、改憲派という立場の違いを超えて、今だからこそ訊ける、話せる逸話の数々。「あの時代」が鮮明によみがえる異色対論本。

目次

第1章 戦時下の思い出(戦時体制の爽やかさ;張作霖爆殺事件の号外 ほか)
第2章 戦時体制化の暮らし(翼賛議会に異を唱えた「一刻」な議員たち;ハーバード大学で都留重人と出会う ほか)
第3章 戦後日本をあらためて問う(八月十五日の記憶;ラク町のお時 ほか)
第4章 「思想の科学」の躍動ぶりと周辺の事件(ノーマン自殺の真相;跡取り息子の座からはずされた都留重人 ほか)
エピローグ 教育とは、そして、死とは(デューイと親交のあった校長先生の話;林竹二の授業について ほか)

著者等紹介

鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
1922年、東京生まれ。15歳で渡米、ハーバード大学で学ぶ。交換船で帰国後、海軍嘱託となる。戦後は丸山真男らと『思想の科学』を創刊。京都大学、東京工業大学、同志社大学で教鞭をとる。60年安保改定を反対、市民グループ「声なき声の会」をつくる。65年、べ平連に参加。94年度朝日賞、08年毎日書評賞受賞

上坂冬子[カミサカフユコ]
1930年、東京生まれ。1959年、『職場の群像』で第1回中央公論社思想の科学新人賞を受賞したことを機に、文筆活動をはじめる。初期には婦人問題を手がけたが、最近は昭和史、戦後史に関するノンフィクション作家としての著作が多い。93年、菊池寛賞、正論大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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