ヴェノナ―解読されたソ連の暗号とスパイ活動

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ヴェノナ―解読されたソ連の暗号とスパイ活動

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  • サイズ A5判/ページ数 573p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784569704890
  • NDC分類 391.6
  • Cコード C0030

出版社内容情報

太平洋戦争を開戦に至らしめた対日工作の中身。

1930年~40年代、アメリカに潜入したソ連スパイの電報の暗号を解読した米国家安全保障局(NSA)の記録文書が、邦訳で公開される!

「ヴェノナ」とは、1943年にアメリカが始めたソ連の暗号傍受・解読作戦の名称である。本書は「ヴェノナ」解読文書の元となった通信文から、ソ連のスパイ活動の全貌を暴く画期的な一冊。いち早くその重要性を指摘した中西輝政氏らが本邦初翻訳を試みたものである。東西冷戦後、原著者らの努力で「ヴェノナ作戦」の成果が公表され、世界中の歴史家に衝撃を与えた。第二次世界大戦時の同盟国ソ連が百人単位の規模でアメリカにスパイを送り込み、外交、軍事、産業上の機密情報をことごとく盗み出していたことが分かったからである。当時のルーズベルト政権は、完全にソ連の工作の影響を受けていた。そしてアメリカの軍事機密がソ連に筒抜けだった事実は、日本にとって何を意味するか。ソ連はアメリカの原爆プロジェクト「マンハッタン計画」を事前に把握しつつ、1945年8月6日の広島への原爆投下を見届け、同月8日に対日戦線布告を行ったということである。

●日本語版に寄せて 
●日本語版凡例 
●謝辞 
●用語説明 
●序章 「ヴェノナ」への道 
●第一章 「ヴェノナ」と冷戦 
●第二章 暗号解読 
●第三章 アメリカ共産党の地下組織 
●第四章 ゴロス=ベントリー・ネットワーク 
●第五章 ルーズベルト政権中枢に喰い込んだソ連のスパイたち 
●第六章 ソ連軍情報部の対米スパイ活動 
●第七章 アメリカ政府機関別に見るソ連スパイの浸透 
●第八章 「同胞」たち 
●第九章 アメリカ大陸における反スターリン分子の追跡 
●第十章 産業スパイ・原爆スパイ 
●第十一章 ソ連の諜報活動とアメリカの歴史(結論) 
●参考人名録 
●監訳者あとがき 
●原註 
●人名索引 

内容説明

1945年8月、日本への原爆投下をソ連は事前に掴んでいた!米ソ同盟の裏で行われた共産党の諜報活動を暴く「禁断の書」、待望の初邦訳。

目次

「ヴェノナ」への道
「ヴェノナ」と冷戦
暗号解読
アメリカ共産党の地下組織
ゴロス=ベントリー・ネットワーク
ルーズベルト政権中枢に喰い込んだソ連のスパイたち
ソ連軍情報部の対米スパイ活動
アメリカ政府機関別に見るソ連スパイの浸透
「同胞」たち
アメリカ大陸における反スターリン分子の追跡〔ほか〕

著者等紹介

ヘインズ,ジョン・アール[ヘインズ,ジョンアール][Haynes,John Earl]
アメリカ議会図書館史料部研究員。歴史家で、アメリカ共産主義運動とソ連の対米スパイ活動を扱う共著を多数出版

クレア,ハーヴェイ[クレア,ハーヴェイ][Klehr,Harvey]
エモリー大学教授。歴史家で、アメリカ共産主義運動とソ連の対米スパイ活動を扱う共著を多数出版

中西輝政[ナカニシテルマサ]
京都大学大学院教授。1947年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て現職。専攻は国際政治学、国際関係史、文明史。2002年、正論大賞受賞。著書に『大英帝国衰亡史』(毎日出版文化賞・山本七平賞、PHP文庫)など

山添博史[ヤマゾエヒロシ]
防衛研究所研究部教官。1975年、大阪府生まれ。2005年、ロンドン大学スラヴ東欧研究所修士課程修了、2008年、京都大学博士課程修了ののち現職。専門は国際政治学、ロシアの対中政策。情報史研究会会員

佐々木太郎[ササキタロウ]
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程在籍。1980年、広島県生まれ。2006年、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。専門は東アジア国際史、米中関係史、情報史。情報史研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hdo obata

11
図書館で借り、返却期限が来ても読み切れず、延長と思ったが、予約があるとのことで、返却することに。第十章、十一章は読み切れていない。途中段階での感想になります。  この本を読んでまず連想したのは、「白蟻」である。見かけは立派な木造家屋が白蟻に食い尽くされ、柱の内部が、がらんどうに。見かけはなんともないが、家は倒壊寸前。げに恐ろしきは「共産主義」。アメリカの”BEST&BRIGHTEST”が自らの信念により、祖国を裏切り、ソ連に奉仕する。おそらく当時の日本でも同じ事が起こっていたのであろう。紙数が尽きた。 2018/06/24

しろくまZ

10
1995年に公開された「ヴェノナ文書」及び旧ソ連側文書により、1930年代から1940年代にかけて米国がソ連側スパイや同調者によって蹂躙されていた歴史的事実を本書は述べている。有名なスパイとして、ルーズベルト政権中枢にいたハリー・デクスター・ホワイトがおり、彼は日本を対米開戦へと追い込んだ「ハル・ノート」の素案作成に携わっている。このことを日本人は記憶にとどめるべきだろう。また、本書から類推するに、当時の日本にどの程度ソ連側スパイが浸透していたのか気にかかるところであるし、現在の日本についても同様である。2014/07/27

hdo obata

9
前回図書館で借りて読み残した第十章、十一章を読んだものである。大不況を経験したアメリカのBEST&BRIGHTESTにはロシア革命を経たソ連はそれこそユートピアに見えたのだろう。自ら志願してKGBのスパイになり、アメリカの国家機密をソ連に流していた。彼らにとっては生まれ育った祖国より、イデオロギー上の祖国の方が大事だった。ルーズベルト大統領時代のアメリカ政府はあまりに無防備だった。大量のソ連のスパイが入り込み、政策決定にも影響を及ぼした。日米戦争の直接の原因をつくったのも彼らである。2018/08/03

Haruka Fukuhara

7
第二次大戦前後のソ連の米国内での諜報活動について。率直に言って、アメリカ人は総体として、楽天的に過ぎると思う。自らの世界に占める存在の大きさから言って、様々な国から潜在的な敵と見做され攻撃されることは十分想定されるはずなのに、そのことを軽視しているように見える。アメリカ人の楽観主義と危機に瀕した際のヒステリックな反応は国際政治においては非常に困ったことだと思う。…完全に日本のことを棚上げして語ってみたけれど、日本はその点どうなんだろう。2017/02/11

Takuya Nishida

6
『嘘だらけの日米近現代史』における倉山史観の裏付けとして読んでみた。ソ連の暗号傍受、解読に対する作戦名「ヴェノナ」公開されたベノナ文書をもとに整理解説した本 興味深い内容であっても正直文章が面白いわけではないし原註も多く真剣に読み込むには相当大変なので流し読み  友好国同士の日米が開戦に至った背景にはコミンテルンのスパイがあった!ルーズベルト政権の中枢にまでスパイが入り込んでいた事実、日本では話題にならなかったのが不思議でならない!2018/09/01

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