出版社内容情報
エジプト文明が人類に語りかけるものとは何か。
なぜエジプト文明は三千年も続いたのか。平和を愛する神「ラー」が目指した世界とは。人類が混迷から抜け出す鍵を探る異色対談。
西洋哲学のみならず仏教にも造詣が深い独創的哲学者の梅原猛氏が、エジプト研究の第一人者である吉村作治氏の案内で、初めてエジプトを訪れた。そこで見たこと、感じたことを吉村氏にぶつけ、吉村氏が丁寧に答えるという、現地での異色対談を書籍用に構成したもの。
▼小麦農業で栄えたエジプトと稲作農業を取り入れた日本との共通点は「太陽と水」だった。
▼日本の最高神「アマテラス」とエジプトの「ラー」の共通点は、生死を繰り返すことだった。
▼西洋文明の起源はギリシアの哲学とイスラエルのキリスト教に求めるのが従来の歴史観だったが、じつはその前にエジプト文明があり、それを忘れたところから人類の悲劇が始まった。
▼エジプト文明からキリスト教は生まれた。人類はなぜ多神教を捨て、一神教に移ったのか。
▼人間中心主義の近代文明が崩壊しつつあるいま、人類が帰るべき思想と哲学を示した、知的興奮に満ちた書。
●第一章 太陽神「ラー」の誕生
●第二章 多神教世界の一神選択
●第三章 ユダヤ教、キリスト教成立の真相
●第四章 プラトン哲学と人間中心主義
●エピローグ ラーの哲学に帰れ ……梅原 猛
内容説明
なぜ古代エジプト文明は3000年も続いたのか?なぜ人類は多神教を捨て一神教を選択したのか?なぜ「ラー」も「アマテラス」も太陽の神なのか?ギリシアに始まる人間中心主義の近代文明が破綻しつつあるいま、人類が帰るべき思想と哲学を示す知的興奮に満ちた異色の対談。
目次
第1章 太陽神「ラー」の誕生(すべては「太陽」にはじまる;ピラミッドとは何か;古代エジプト人たちの世界観)
第2章 多神教世界の一神選択(ラムセス二世とアブ・シンベル神殿;アクエンアテンのアマルナ改革;カルナク神殿とルクソール神殿)
第3章 ユダヤ教、キリスト教成立の真相(ユダヤ教の成立;キリスト教の誕生)
第4章 プラトン哲学と人間中心主義(エジプトとギリシア;中世から近世へ)
エピローグ ラーの哲学に帰れ(梅原猛)
著者等紹介
吉村作治[ヨシムラサクジ]
1943年、東京都生まれ。エジプト考古学者。66年、アジア初の早大古代エジプト調査隊を組織し現地に赴いて以来、40年以上にわたり発掘調査を継続、数々の発見により国際的評価を得る。2005年1月、未盗掘・完全ミイラ(セヌウ)、07年1月に未盗掘の夫婦の未開封木棺、10月に未盗掘の親子のミイラを次々発見。07年4月には、株式会社立で日本初の完全インターネット講義による「サイバー大学」を設立。現在、サイバー大学学長(工学博士(早大))、早稲田大学客員教授を務める
梅原猛[ウメハラタケシ]
1925年、宮城県仙台市に生まれ、愛知県知多郡で育つ。哲学者。京都大学文学部哲学科卒。立命館大学教授、京都市立芸術大学教授、同大学学長を経て、87年、国際日本文化研究センターを設立し、95年まで初代所長を務める。現在、同センター顧問。72年、『隠された十字架―法隆寺論』(新潮社)で第26回毎日出版文化賞受賞、74年、『水底の歌 柿本人麿論』で第1回大佛次郎賞受賞。92年、文化功労者顕彰。98年、京都市名誉市民顕彰。99年、文化功労賞受賞。「梅原古代学」「梅原日本学」と呼ばれる多くの著作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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