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バイオ燃料で、パンが消える―食べ物を暖炉にくべる時代が幕を開ける

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  • サイズ B6判/ページ数 225p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784569698342
  • NDC分類 501.6
  • Cコード C0030

出版社内容情報

空腹の人の前で、パンを次々に暖炉にくべていく―─それがバイオ燃料の実態である! エコに隠されたウソに鋭いメスを入れる書。
あなたは飢えに苦しむ人の目の前で、食べ物を次々と暖炉で燃やすことができるだろうか? 間も無く地球上の多くの人がこの行為に手を染めることになる。それが「バイオ燃料」の実態なのだ。 「地球温暖化」「石油の枯渇」というこの2つ危機が叫ばれるなか、救世主と目される「バイオエタノール」。簡単に言えば、トウモロコシなどの作物から作られる自動車の燃料。作物を育つ間に吸収するCO2と、それを燃料として使用して排出されるCO2とが相殺されるため、環境・エネルギー問題を一挙に解決するという。しかし、バイオエタノールを生産し消費することは、「パンを暖炉にくべる行為」に他ならないと著者は主張するのだ。

内容説明

「讃岐うどんが一斉値上げ」と「ガソリンの価格高騰」。無関係に見えるこの2つの現象はリンクしている。そのキーワードは「バイオエタノール」。石油の枯渇、地球温暖化などの環境・エネルギー問題が世界的に不安視されるなかで、その救世主とも見なされているこの「環境にやさしい」燃料。しかし現実には、バイオエタノールを生産し消費することは、「パンを暖炉にくべる行為」に他ならない。このバイオエタノールという怪物の実態を、石油、温暖化、食糧問題、各国の政治的思惑から読み解き、人類がいかにして地球環境との折り合いをつけ、生き残っていくかを考察する。

目次

第1章 パンを暖炉にくべる(バイオエタノールの危うさを理解するキーワード;バイオエタノールと各国の思惑)
第2章 バイオエタノールとは何か(バイオエタノールは何からつくられるのか;なぜ木材をエタノールにできないのか;バイオマスの全体像)
第3章 京都議定書とカーボン・ニュートラル(京都議定書はウソだらけ?;食糧のカーボン・ニュートラル性)
第4章 食糧はどうなっているのか(世界の食糧事情;日本の食糧事情)
第5章 私たちの生き残り作戦(海洋に資源を求める;温暖化を積極的に利用する;総合的に考えてみると……)

著者等紹介

武田邦彦[タケダクニヒコ]
1943年、東京都生まれ。東京大学教養学部卒業。名古屋大学大学院教授を経て、中部大学総合工学研究所教授(副所長)。ほかに多摩美術大学非常勤講師を併任。内閣府原子力安全委員会専門委員。文部科学省科学技術審議会専門委員。文部科学省中央教育審議会専門委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。