出版社内容情報
母・お江との別れ、夫・豊臣秀頼と姑・お茶々とのつかの間の幸せ。豊臣・徳川の絆となろうとした千姫の、波瀾万丈の生涯を描いた力作
【著者紹介】
作家
内容説明
徳川秀忠とお江の娘に生まれ、豊臣家との絆として、わずか七歳で大坂城へと嫁いだお千。しかし、夫・秀頼と姑・お茶々との幸せな日々は、徳川と豊臣の間に戦が起こることで終わりを告げた。夫と共に死ぬか、それとも…。大坂の陣後、ひとり生き残ったお千には、つらい運命が待ち受けていたのだった。いわれなき悪名を背負いながらも、女としてひたむきに生きたお千の波瀾万丈の生涯を描く。
著者等紹介
植松三十里[ウエマツミドリ]
静岡県出身。1977年、東京女子大学史学科卒業後、婦人画報社編集局入社。7年間の在米生活、建築都市デザイン事務所勤務などを経て、フリーランスのライターに。2003年、『桑港にて』で歴史文学賞受賞。09年、『群青日本海軍の礎を築いた男』で新田次郎文学賞受賞。同年、『彫残二人』(文庫化時に『命の版木』と改題)で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雪月花
40
植松三十里さんの著書は初読み。タイトルの通り、千姫、そして千姫を取り巻く女性たちの視点から語られる戦国時代末期。徳川秀忠とお江の娘、千姫が豊臣秀頼に嫁ぐところから物語は始まる。7歳で人質のような形で嫁入りした千姫は秀頼と仲睦まじく、大坂冬の陣、夏の陣を経て最後に千姫を逃がす秀頼との別れのシーンは切なかった。家康がかなりの策略家として描かれ、秀頼と茶々が悪者にされたことに納得いかず二人の汚名を晴らしたかった千姫が、運命に翻弄されながらもひとりの女性として必死に生き抜いたその生涯に胸が熱くなった。2021/02/06
roomy
20
家族・夫婦・姉妹 単純に仲良くすることは難しいのでしょうか。物質的に豊かな暮らしをしていても心は満たされず落ち着かない。なんだかとても悲しくなりました。今の世は本当に自由で恵まれた環境だと思う。2013/03/04
AKI
16
歴史小説の中の茶々=淀殿は大抵ヒステリーの意地悪な悪女として描かれていて、でもそれって勝者である徳川側から見た、徳川側にとってはそうでなければ都合が悪いからじゃないのかと思っていたので、この作品での茶々はそうではない優しい人柄で描かれているので読んでみた。ちょっと人物像に深みがなかったけれど、通説とは違った茶々の姿や秀頼と千姫の夫婦像を読む事が出来たのは嬉しかった。その代わりに秀忠とお江が悪者になっていたけれど(笑)2019/02/01
マサキ@灯れ松明の火
15
千姫…母「お江」の影となり、語られることの少ない姫…豊臣家の滅亡から、生き残り…その遺児を守り、母から疎まれる弟「竹千代(家光)」を温かく見守りながらも…世の中からは「悪女」とされてしまった。戦は…女性達を否応なく「悲しき存在」とした…平和な世になった今、深く考えさせられる話でした。2011/08/02
雨音⋆̩☂︎*̣̩
8
戦国の時代の女性たちの苦労がこの本1冊で分かるいい本!!歴史好きな人はぜひ読んで欲しい!2021/06/16