内容説明
時は幕末、京の都―。大政奉還を目前に控え、徳川慶喜暗殺未遂事件が起こった。幕閣から犯人探索の密命を受けたのは、坂本龍馬と新選組副長土方歳三。しかし二人に与えられた時間は、わずか二日間だった。いがみ合い、衝突しながら捜査を続ける二人が最後に行きついた人物とは?そして龍馬暗殺の真相を知った土方は?幕末維新のオールキャストでおくる、傑作エンタテインメント長編小説。
著者等紹介
五十嵐貴久[イガラシタカヒサ]
1961年、東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業後、出版社に入社。2001年、「リカ」で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナルピーチ
150
大政奉還を目前とした京の都で銃声が鳴り響く。それは徳川慶喜を狙った暗殺計画。未遂に終わったものの、幕府は将軍襲撃事件の犯人を捕らえるべく、新選組の“土方歳三”と海援隊の“坂本龍馬”に事件の捜査を幕命する。史実では相反する事のなかった二人による奇跡のタッグが此処に実現した!!まさかの仇敵同士による幕末動乱期を舞台にした歴史ファンタジーはとても浪漫溢れる物語。水と油のような存在の二人が手を組んだ僅か2日間だけの“相棒”。そして互いに認め合う唯一無二の“宿敵”に感無量。最終章での締め括り、一気に胸が熱くなった。2023/02/10
海猫
140
2022年最初の読書は時代小説で。徳川慶喜の暗殺未遂事件を、坂本龍馬と土方歳三がコンビを組み、真相を追う。これベースは映画の「48時間」な気がする。性格や立場が相反する2人が2日間だけ、一緒に捜査するとかね。換骨奪胎が巧みで、バディものの面白さはバッチリ押さえた内容。坂本龍馬も土方歳三も生き生きと描かれ、掛け合いが抜群に楽しい。両者が出会うと本当にこんな会話をしそう。幕末という舞台設定を活かした展開も、素晴らしい。話の畳み方がまた良くて、素敵な歴史ifを見せてくれる。初夢を見たような気持ちで、本を閉じた。2022/01/02
Shinji Hyodo
92
面白い❗️てか、この発想が好きだなぁ〜初めて『坂本 竜馬』にのぼせたのは大河ドラマの『竜馬がゆく』であり、その時私ゃ高校生。出演は北大路欣也さんで乙女姉さんは水谷良重さん。龍馬ではなく『竜馬』が正当で、以来どんな竜馬の物語を読んでもその姿は若く溌剌とした欣也さんの姿であり、それはある意味トラウマですね(^^;;竜馬と歳三がタッグを組んである難題の真相究明にあたる。もう水と油が混じるのですから、えも言われぬ反応と味わいが生まれるわけですね(^^;;冗談じゃねぇ〜よ!なんて目くじら立てずに楽しみたい物語でした2015/11/05
Satomi
86
「相棒」といえばかの有名な刑事モノ!?!?五十嵐貴久さんの「相棒」はなんと時代小説!!しかも坂本龍馬と土方歳三の二人がコンビを組み徳川慶喜暗殺未遂事件を追うというぶっ飛んだお話しに、幕末キャストオールスター出演♪.:*・゜勿論、史実とは異なる設定ではあるけど、登場人物たちのキャラが素晴らしい~絶妙にイイ加減!!歴史好きでも賛否両論あるだろなとは思う…けど私はこういうシャレの利いたお話し大好き♡2015/11/12
森オサム
63
著者初読み。幕末の二大ヒーロー、土方歳三と坂本龍馬を「相棒」とさせる為に、事件は後付けで考えたんでしょうね。良く出来た設定で、西郷、桂、岩倉等々オールスターが集合し、中々楽しめました。ただ、事件解決の為に出来る事は聞き込みだけなので、中盤まではやや単調だったかも。敵対する二人が、二日間と言う限られた時間の中で徐々に認め合う関係になる、その会話の変化なんかが面白かった。物語の始まりは龍馬暗殺直前の時期、新選組も終焉に向かい出す時期。幕末は切ない。敵も味方も文字通り命を懸けている。なので、ラストは蛇足だよな。2017/03/07