内容説明
幕末の激動のなか、徳川幕府は大きく揺れ動いていた。そんな時代に、将軍家に嫁ぎ大奥に入った二人の女性、薩摩藩主・島津斉彬の養女・天璋院と、孝明天皇の妹・和宮。本書は、まったく違った環境と仕来りのなかで育ち、姑と嫁の関係になった二人の波瀾万丈の人生模様とともに、江戸無血開城、徳川宗家の存続という歴史に残した事績を、大奥という舞台から描くものである。
著者等紹介
植松三十里[ウエマツミドリ]
静岡市出身。1977年、東京女子大学史学科卒業後、婦人画報社編集局入社。在米生活、建築都市デザイン事務所勤務、建築関係のライターなどを経て、現在に至る。2002年、「まれびと奇談」で九州さが大衆文学賞佳作入選。2003年、「桑港にて」で歴史文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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及川まゆみ
6
二人が生きたのが激動の時期なので、事象の羅列のような印象を受ける箇所もいくつかあるが、逆に客観的に歴史の流れを頭に入れることが出来る。大奥で天璋院と和宮が、次第に絆を深めていった様子が描かれ、リアルで面白かった。植松さんらしさが出ているのは最後の章かなと思う。また和宮の成長が見えたのがよかった。2021/04/25
すきま風
5
ヒストリアで天璋院と和宮の話を見て、また久々にこのへんの歴史物を読みたくなって図書館へ。予想していたよりも和宮の話が多かったのが嬉しい。これまで読んできたいくつかの話では、天璋院がどちらかというと目立って活躍しているものが多かったけど、この本だと自立してたくましくなっている和宮の姿が見られる。家茂との仲睦まじい様子から、家茂の死、そして江戸城無血開城へ…やっぱり面白い。これはあっさり読める感じの本だったので、和宮メインの本をもっと読みたい。2017/08/03
海辻
4
天璋院と家茂も不仲だったという設定は斬新でした。違和感はありましたけどね。2009/08/15
みーちゃん
3
女性の幕末モノですね。 宮尾『篤姫』本に比べると、ライトな現代的な感じ。 人物関係とかを把握するには、分かりやすいと思います。 2010/04/03
AchAko
2
やっぱり、このふたり好きだわーー。かっこいい。2013/04/07