PHP文庫<br> 寄り道して考える

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PHP文庫
寄り道して考える

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  • サイズ 文庫判/ページ数 261p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569662107
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

人生・信仰・脳と精神まで丁々発止の爆笑対論

二人の気の向くまま、話題はあっちへこっちへ。ユニークな発想ではピカイチの二人による人生・信仰・脳と精神など、丁々発止の対論集。

人に教えたくない店は、表通りより、路地を入ったところにある、などとよく言われる。それは会話についても言えるのではないだろうか。一つのテーマに沿って延々と続く議論を聞き続けるのは苦痛なことだ。路地裏のいい店の喩えではないが、ときに話が本題から反れる。その話のほうが面白いということはよくあることだ。

▼本書で御両人が語り合っているテーマそのものは日本文化論に通じるものあり、精神史に通じるものありで、その意味では正攻法の対論である。しかし、自分の幼児期の体験、青春時代の思い出などを織り交ぜた会話は、知的な漫才のような面白ささえ感じる。まさに、裏路地の会話、である。

▼その会話には、示唆にとんだ一言あり、正鵠をついた社会批判ありで、読む者を飽きさせることがない。こういう会話を知的な会話というのだろう。

▼ご両人と寄り道しながら、日本人とは何か、信仰とは何かなど、重いテーマを軽く楽しんで見てはいかがだろう。

●第1章 「いい加減」でいいじゃないか―軟弱者だからこそできる「柔軟思考」 
●第2章 「九割」の大多数より「一割」の少数派たれ―「はみだし者」が新たな時代を築く 
●第3章 「一致団結、頑張ろう」の軍隊文化を問う―全共闘からオウムまで 
●第4章 おカネとシステム信仰と日本人―価値という尺度の使い方 
●第5章 拡大する「脳」―論理的思考の裏側にあるもの 
●第6章 神なき国の精神史―日本の思想・文学・言葉談 
●第7章 「システム」からの脱出―いじめ、自殺、閉塞感を生み出す社会構造を破るには

内容説明

一人は敗戦時まだ八歳、一人は十七歳の多感な青年。年齢差約十歳の二人がおりなす会話は、お互いの精神形成史の披瀝に始まり、日本人特有のモノの考え方・行動について、エリートとは何かについて、お金と宗教、果てはいじめ問題や自殺まで、まるで目的地を決めずに足のむくまま気の向くままに彷徨う旅のよう。異色の解剖学者と数学者の丁々発止の会話から日本と日本人の今が見えてくる。

目次

第1章 「いい加減」でいいじゃないか―軟弱者だからこそできる「柔軟思考」
第2章 「九割」の大多数より「一割」の少数派たれ―「はみ出し者」が新たな時代を築く
第3章 「一致団結、頑張ろう」の軍隊文化を問う―全共闘からオウムまで
第4章 おカネとシステム信仰と日本人―価値という尺度の使い方
第5章 拡大する「脳」―論理的思考の裏側にあるもの
第6章 神なき国の精神史―日本の思想・文学・言葉談
第7章 「システム」からの脱出―いじめ、自殺、閉塞感を生み出す社会構造を破るには

著者等紹介

養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年11月11日、鎌倉市に生まれる。1962年東京大学医学部卒業。1971年頃、大学入学以来とだえていた「虫捕り」を再開。1972年東京大学医学部助教授。1981年東京大学医学部教授。1995年春、定年を待たずに東京大学を退官。現在、北里大学教授

森毅[モリツヨシ]
1928年1月10日、東京に生まれる。大阪で小・中時代、京都の三高で青春を過ごすという三都人生を送る。1950年東京大学理学部数学科卒業。1951年北海道大学助手、1957年京都大学助教授、1971年教授。1991年春、退官。現在、京都大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちさと

22
それぞれ昭和3年、12年生まれの御二方のお話は、小さい頃にお爺ちゃんのお話を聞いていた場面を思い出す。生まれから学生時代、教授時代へと、お互いの精神形成史を語り合う前半と、大きくたくさん刻まれた年輪を見せてくれる後半に分かれています。テーマごとに連歌連句になりがちな対談ですが、意見の相違がちらほら見受けられるところが良かった。養老さんの「肩書きがないことを嫌う社会」森さんの「未来を築くはみ出し者を容認しよう」2018/11/09

toshi

8
リレーエッセイだけど、後書きによれば一日で行われた対談らしい。 いろんな話題で盛りだくさんの内容で、色々考えさせられる。いかにもPHPらしい本。2016/02/28

PPP

5
★★★☆☆:昭和3年生まれの森氏と昭和12年生まれの養老氏の対談本。前半は「世間が違えば標準が違う」(戦争の影響)、「肩書がないことを嫌う社会」(人間関係の距離の明示)など、時代・文化について。後半は「あらゆることが説明できるという幻想」(科学信仰)、「三島の自殺とオウムで見えてくる世の中の構造」(世間の無自覚)など、脳・精神について。ーー人世は、論理的に説明できないものの方が遥かに多く、組織・保障・システムなどに囚われ過ぎると、結果自分で自分の首を絞めることになる。2016/09/19

かりんとー

4
とにかく自分の頭で考えること。 危機のときにマニュアルを捨てることができるか? 「ああすればこうなる」という意識化された世界に 暮らしていると、危機管理能力が発揮できない。 予想される危機は本当の危機ではない。 人間のつくったものを頭から信奉するようなことは避けるべき。 がちがちの「システム」からの脱出が閉塞感を打ち破る鍵になる。2014/07/21

3
養老孟司氏と森毅氏の対論本。本書では、現代人の抱えるジレンマ的思想や、脈々と受け継がれる「非国民」の文化、「逃げられない」社会を解剖していく。 非常にテンポが良く、読むと元気づけられたり、襟を正したくなったりと身になる濃い内容。 特に連歌連句から続く「場の文化」という考え方にはうなずくばかり。人と話すことでブレイクスルーって生まれるよね。 2014/06/17

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