司馬遼太郎で読む日本通史

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569648019
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

作品の端々にある歴史観をつないだ日本通史。

司馬作品の端々には、歴史観をともなった珠玉の言葉がねむっている。それを引き出し、司馬作品を貫く日本通史を構成した力作歴史書。

司馬遼太郎氏が、突然亡くなってから、今年で10年経つ。しかし、その10年という時間は、司馬作品や数々の評論・随筆の存在感を、薄めるどころか、かえって高めた。司馬氏が描いたのは、時代の転換点を生きた“日本人の顔”であり、読む人が範とすべく磨きぬかれた高貴な人格であった。しかし、この10年の日本人は、昨今の「ライブドア事件」に象徴されるように、「自己中心」「拝金主義」に陥り、社会的倫理観の希薄な国民となってしまった観がある。日本人は、あるべき“自らの顔”を取り戻すためにも、改めて司馬遼太郎を読まなければならない。そこには、誰よりも日本人を愛した作家の温かなまなざしがある。本書では、その入り口となるべく、司馬作品と評論などを基に、司馬遼太郎的日本史を構成した。著者の目を通して、司馬氏の作品世界がよくわかるような内容となっている。もともとの司馬ファンにも、これからの入門者にも役立つ、貴重な一冊だ。

●序章 日本のはじまりに起こったこと 
●第1章 鎌倉時代がわかる――義経は「悪人」だった(『義経』より) 
●第2章 室町時代がわかる――日本人の「生活文化」が完成された 
●第3章 戦国・乱世がわかる――スケールの大きな日本人たち、登場す(『箱根の坂』『国盗り物語』『新史太閤記』『尻啖え孫市』より) 
●第4章 関ヶ原の合戦~大坂ノ陣がわかる――消えゆく英雄時代と日本人矮小化プラン(『関ヶ原』『城塞』ほかより) 
●第5章 徳川時代がわかる――日本人の「四畳半」体質ができあがる(『覇王の家』『関ヶ原』を中心に) 
●第6章 江戸身分制という「かたち」――日本的いじめの発生(『胡蝶の夢』から) 
●第7章 それでも「好奇心」は眠らない――江戸っ子ソバ通と朝鮮の友人(『花神』を中心に) 
●第8章 高杉晋作と大村益次郎の「遺産」を食った男――明治の「法王」山県有朋(『花神』『世に棲む日日』より) 
●第9章 明治「天皇制国家」をつくったのは誰か?――日本国民のまとめ方(『翔ぶが如く』ほか) 
●第10章 明治日本が船出できたわけ――江戸からの遺産(『「明治」という国家』を読む 
●第11章 一途に明るい明治人の日露戦争――子規のリアリズムと兵士たち(『坂の上の雲』を中心に) 
●第12章 昭和の時代、日本は“二度”占領された!――統帥権という魔法(『「昭和」という国家』ほか)

内容説明

いま、われわれは「日本人の顔」を持っているであろうか?日本人を見つめる温かなまなざし。

目次

日本のはじまりに起こったこと
鎌倉時代がわかる―義経は「悪人」だった(『義経』より)
室町時代がわかる―日本人の「生活文化」が完成された
戦国・乱世がわかる―スケールの大きな日本人たち、登場す(『箱根の坂』『国盗り物語』『新史太閤記』『尻啖え孫市』より)
関ヶ原の合戦~大坂ノ陣がわかる―消えゆく英雄時代と日本人倭小化プラン(『関ヶ原』『城塞』ほかより)
徳川時代がわかる―日本人の「四畳半」体質ができあがる(『覇王の家』『関ヶ原』を中心に)
江戸身分制という「かたち」―日本的いじめの発生(『胡蝶の夢』から)
それでも「好奇心」は眠らない―江戸っ子ソバ通と朝鮮の友人(『花神』を中心に)
高杉晋作と大村益次郎の「遺産」を食った男―明治の「法王」山県有朋(『花神』『世に棲む日日』より)
明治「天皇制国家」をつくったのは誰か?―日本国民のまとめ方(『翔ぶが如く』ほか)〔ほか〕

著者等紹介

石原靖久[イシハラヤスヒサ]
昭和21年、静岡県生まれ。成蹊大学卒。編集者歴35年(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

detu

38
私、自称「司馬好き」を語っておりますが、数多ある司馬さんの著書をどれほど読んだだろう・・まだまだ読むべきものはたくさんあるようです。「義経」など鎌倉時代あたりはあまり興味も無かったけど、おもしろそうだ。司馬遼太郎ガイドブックとでも言うべきか、この本は。著者の司馬さんに対する思いがよく伝わってきます。2017/02/01

がんぞ

5
司馬遼歴史物を要約したアンチョコ。戦国時代には鉄砲を自製し、幕末には設計図もなしに蒸気船を作った(徳川幕府は大船の建造を禁じていたので造船術は衰退していた)など日本人の誇りをかきたてるような記述多い。国民文学的大作家であり軍隊経験者に言うのは何だが「日露戦争までは良かったが、その後道を誤り精神論優先で敗戦を招いた」「民主主義は賢明なはずだが、日本人は騙されて対米開戦に歓喜した」ということになる。日本人の政府が対米開戦止むなしと決心したのは“帝国主義”という狂気が世界を覆っていたからか。英首相・将介石も歓喜2013/07/24

Fumihide Miyashita

0
司馬遼太郎で学ぶ日本史と間違って、読んだが、それなりに面白かった。2017/07/20

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