出版社内容情報
作品の端々にある歴史観をつないだ日本通史。
司馬作品の端々には、歴史観をともなった珠玉の言葉がねむっている。それを引き出し、司馬作品を貫く日本通史を構成した力作歴史書。
司馬遼太郎氏が、突然亡くなってから、今年で10年経つ。しかし、その10年という時間は、司馬作品や数々の評論・随筆の存在感を、薄めるどころか、かえって高めた。司馬氏が描いたのは、時代の転換点を生きた“日本人の顔”であり、読む人が範とすべく磨きぬかれた高貴な人格であった。しかし、この10年の日本人は、昨今の「ライブドア事件」に象徴されるように、「自己中心」「拝金主義」に陥り、社会的倫理観の希薄な国民となってしまった観がある。日本人は、あるべき“自らの顔”を取り戻すためにも、改めて司馬遼太郎を読まなければならない。そこには、誰よりも日本人を愛した作家の温かなまなざしがある。本書では、その入り口となるべく、司馬作品と評論などを基に、司馬遼太郎的日本史を構成した。著者の目を通して、司馬氏の作品世界がよくわかるような内容となっている。もともとの司馬ファンにも、これからの入門者にも役立つ、貴重な一冊だ。
●序章 日本のはじまりに起こったこと
●第1章 鎌倉時代がわかる――義経は「悪人」だった(『義経』より)
●第2章 室町時代がわかる――日本人の「生活文化」が完成された
●第3章 戦国・乱世がわかる――スケールの大きな日本人たち、登場す(『箱根の坂』『国盗り物語』『新史太閤記』『尻啖え孫市』より)
●第4章 関ヶ原の合戦~大坂ノ陣がわかる――消えゆく英雄時代と日本人矮小化プラン(『関ヶ原』『城塞』ほかより)
●第5章 徳川時代がわかる――日本人の「四畳半」体質ができあがる(『覇王の家』『関ヶ原』を中心に)
●第6章 江戸身分制という「かたち」――日本的いじめの発生(『胡蝶の夢』から)
●第7章 それでも「好奇心」は眠らない――江戸っ子ソバ通と朝鮮の友人(『花神』を中心に)
●第8章 高杉晋作と大村益次郎の「遺産」を食った男――明治の「法王」山県有朋(『花神』『世に棲む日日』より)
●第9章 明治「天皇制国家」をつくったのは誰か?――日本国民のまとめ方(『翔ぶが如く』ほか)
●第10章 明治日本が船出できたわけ――江戸からの遺産(『「明治」という国家』を読む
●第11章 一途に明るい明治人の日露戦争――子規のリアリズムと兵士たち(『坂の上の雲』を中心に)
●第12章 昭和の時代、日本は“二度”占領された!――統帥権という魔法(『「昭和」という国家』ほか)
内容説明
いま、われわれは「日本人の顔」を持っているであろうか?日本人を見つめる温かなまなざし。
目次
日本のはじまりに起こったこと
鎌倉時代がわかる―義経は「悪人」だった(『義経』より)
室町時代がわかる―日本人の「生活文化」が完成された
戦国・乱世がわかる―スケールの大きな日本人たち、登場す(『箱根の坂』『国盗り物語』『新史太閤記』『尻啖え孫市』より)
関ヶ原の合戦~大坂ノ陣がわかる―消えゆく英雄時代と日本人倭小化プラン(『関ヶ原』『城塞』ほかより)
徳川時代がわかる―日本人の「四畳半」体質ができあがる(『覇王の家』『関ヶ原』を中心に)
江戸身分制という「かたち」―日本的いじめの発生(『胡蝶の夢』から)
それでも「好奇心」は眠らない―江戸っ子ソバ通と朝鮮の友人(『花神』を中心に)
高杉晋作と大村益次郎の「遺産」を食った男―明治の「法王」山県有朋(『花神』『世に棲む日日』より)
明治「天皇制国家」をつくったのは誰か?―日本国民のまとめ方(『翔ぶが如く』ほか)〔ほか〕
著者等紹介
石原靖久[イシハラヤスヒサ]
昭和21年、静岡県生まれ。成蹊大学卒。編集者歴35年(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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