出版社内容情報
サッチャーの教育改革に学べ! 日本がお手本とすべき教育正常化への道を、党派を超えた国会議員有志が現地視察をもとに明らかにする。
偏向歴史教育、学力低下、教育荒廃……。今日のわが国における教育の状況を憂えて、党派を超えた国会議員有志6名が、教育改革にいち早く着手して成果をあげた英国の現状を調査し、意見交換を行ってきた。
▼1979年、マーガレット・サッチャー氏が政権についた頃の英国は、子供の学力やモラル低下の問題で、親や産業界から「教育を変えてほしい」との悲鳴があがっていた。そこでサッチャー政権は、1988年に238条にも及ぶ教育改革法(教育基本法改正に相当)を成立させ、学力向上カリキュラムに基づいた全国共通試験を実施し、結果を公表。成績の悪い学校は責任追及し、親には学校選択権を与えた。さらに財務や管理権を学校に与え、親や地元産業界の人も加わる理事会で先生の給料や設備も決めるなど、消費者の声を入れることで、偏向歴史教育等を是正することにも成功している。日本がお手本とすべき教育正常化への道を、現地視察をもとに明らかにする。
[第1部]日本の教育はこうすれば良くなる
●サッチャー首相はいかに教育改革を断行したのか
●国家戦略としての教育
●いかにして偏向歴史教科書を排除したか
●宗教教育の充実と家族強化の試み
●日本版「教育水準局」の創設を
●イギリスと広島―共通する改革の構図
[第2部]教育基本法改正から始まったイギリス教育改革
[第3部]偏向歴史教科書是正に成功したイギリス
内容説明
イギリスはいかにして“教育基本法”を改正し、偏向歴史教育、学力低下、教育荒廃を克服したか。党派を超えた国会議員有志による改革現場リポート。
目次
第1部 日本の教育はこうすれば良くなる―英国教育調査を通じて(サッチャー首相はいかに教育改革を断行したのか―「イギリス病」との戦いから生まれた「一九八八年教育改革法」(松原仁)
国家戦略としての教育―事後チェック体制に転換し、校長にもっと自由裁量を、子供たちにもっと多様な教育を(下村博文)
いかにして偏向歴史教科書を排除したか―日本の子供たちにバランスのとれた歴史教育を(古屋圭司)
宗教教育の充実と家族強化の試み―イギリスの道徳的価値の復権(山谷えり子)
日本版「教育水準局」の創設を―教育改革は、学校現場に対するチェック機能の確立と情報公開から(笠ひろふみ)
イギリスと広島 共通する改革の構図―教職員組合と教育行政との癒着を断ち切り、チェック体制の確立と情報公開を(亀井郁夫))
第2部 教育基本法改正から始まったイギリス教育改革―「一九四四年教育法」から「一九八八年教育改革法」へ(椛島有三)
第3部 座談会・偏向歴史教科書是正に成功したイギリス(古屋圭司;安倍晋三;下村博文;山谷えり子;椛島有三)
著者等紹介
中西輝政[ナカニシテルマサ]
昭和22年(1947年)、大阪生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て、京都大学大学院教授(総合人間学部教授を兼任)。専攻は国際政治学、国際関係史、文明史。平成2年、石橋湛山賞、平成8年、毎日出版文化賞・山本七平賞、平成14年、第18回正論大賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。