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養老孟司の“逆さメガネ”

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569630830
  • NDC分類 370.4
  • Cコード C0212

出版社内容情報

人間を幸福にしない脳化社会の現象を読み解く。

「個性は心にある」「都市こそ進歩」「自分探しに価値がある」……。すべてはカン違い!? 世間の常識を<逆さメガネ>で考える養老流の教育論。

「世の中おかしくなった」と誰もがいう。教育の荒廃、凶悪犯罪、環境破壊、金銭汚職。ことあるごとに「誰かのせい」がはじまる。政治家が、役人が、教師が、そして会社が悪い。

▼そうじゃない! あなた自身の見方・考え方がまちがっているのだ。「都市こそ進歩」「個性は心にある」「バリア・フリーの社会を」「科学ですべてがコントロールできる」……。現代人のその価値観は、大きな錯覚である。本書では、「都市主義」「脳化社会」の歪みを鋭く指摘。

▼著者はこう語る。「偏見をもって見ることを『色メガネで見る』と表現します。現代社会の人は『色メガネ』どころか『逆さメガネ』をかけてるんじゃないか。私はときどきそう思うのです。多数の意見だからとか、みんなと同じだからといって、それが当たり前だと思っていたら、自分が逆さメガネをかけていることに気づいていないのです」

▼これまでの常識にしばられず、本質を見抜けるか。養老流の<逆さメガネ>を披露。

●第1章 現代人の大きな錯覚―<逆さメガネ>の教育論 
●第2章 都市化社会と村社会―脳化社会の問題 
●第3章 身体感覚を忘れた日本人―都市化と身体 
●第4章 大人の都合と子どもの教育―問題は親にあり 
●第5章 変わる自分、変わらない自分―心と身体の関係 
●第6章 人間が幸福にならない脳化社会―意識的世界の限界 
●第7章 ふつうの人が幸福に暮らせる社会―共同体を生きる 
●エピローグ 男と女は平等か―人間を分割してしまうもの

内容説明

「世の中おかしくなった」と誰もがいう。教育の荒廃、凶悪犯罪、環境破壊、金銭汚職…。ことあるごとに「誰かのせい」がはじまる。政治家が、役人が、教師が、そして会社が悪い。そうじゃない!あなた自身の見方・考え方がまちがっているのだ。「都市こそ進歩」「個性は心にある」「バリア・フリーの社会を」…。現代人のその価値観は、大きな錯覚である。本書では、「都市主義」「脳化社会」のゆがみを鋭く指摘。これまでの常識にしばられず、本質を見抜けるか。養老流の“逆さメガネ”を披露。

目次

第1章 現代人の大きな錯覚―“逆さメガネ”の教育論
第2章 都市化社会と村社会―脳化社会の問題
第3章 身体感覚を忘れた日本人―都市化と身体
第4章 大人の都合と子どもの教育―問題は親にあり
第5章 変わる自分、変わらない自分―心と身体の関係
第6章 人間が幸福にならない脳化社会―意識的世界の限界
第7章 ふつうの人が幸福に暮らせる社会―共同体を生きる
エピローグ 男と女は平等か―人間を分割してしまうもの

著者等紹介

養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業。専門は解剖学。95年東京大学医学部教授を退官し、96年より北里大学教授。東京大学名誉教授。89年、『からだの見方』(筑摩書房)でサントリー学芸賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

31
ほぼ20年前の著作。口述を書籍化なのか、やや読みにくく、意味がとりにくいところがないわけではない。しかし、相変わらず?の養老節。主として教育論ということだが、人間とは、社会とは、意識とは、都市化とは等、人が生きていく上での根源的問い掛けが多い。今、読んでも新鮮でうなずくところも多し。「非合理の情念が人間を動かす」「実念論(目に見えないものが重要)の時代がくる」の佐藤優氏の主張と軌を一にする内容だ。2022/07/25

ちさと

30
高齢者の仲間入りをした頃の養老さんの教育論。養老さんのお喋りを編集さんが本にする形式なのかな?話題が飛ぶので意図を汲み取りにくい部分もありますが、現代のゆがみは「都市化(脳化)」が原因、こどもが自然でなくなったのは社会的価値のないものは排除しようとする社会に起因する 、というお話です。おもしろかった一文「女は女らしくしとやかに、男は男らしく元気で活発にと、それが教育。ほっといたらどうなるか。今のようになる。ほっといたら自然になるものを教育する必要はありませんから。」養老さんは自称フェミニスト。2019/02/04

流之助

26
地の文が養老先生の語り口調なのが味がある。Twitterとかだと確実にクソリプが付きそう。安易に応えを求め、何の質問に対しても「じゃあどうすればいいんですか」と考えることなしに結論を求めることの如何に非建設的な事か。ただ、私も養老先生がヨシとしない人間の1人だと改めて痛感。少子化のくだりなど、耳の痛い話だけれどなるべくしてなったことなんだなと感じた。2019/10/25

mura_海竜

24
現代人の価値観は大きな錯覚であり、逆さのメガネで見ているのではないか。そのメガネを掛けて見ているのは著者か現代人か?自然と人工(都市化)、共同体と機能体、自分がコントロールできるものできないもの、ボタン一つで操作できること、親の役割、子育て、文武両道の考え方(入力と出力)、良いことは人に知られないように。他の見方もあるんだと考えて読むのには良書。批判的に読めばそれなりに。ある部分は要点のみで飛ばし読み。「知るということは自分が変わること。」自覚無いけど変わってきているのかなあ。探究心は失わずにいたい。2012/12/15

さいたまのたぬき

23
ついつい忙しいと 自然とは予測できないものであるということを 忘れてしまうのですね。 むしろいつも条件が同じでないと困るから 都会に住んでいるとつい何が起こるか分からない 自然を省こうとしてなんでも理屈で割り切れるように する常識がまかりとおっているのではないか? これを「逆さメガネ」をかけた状態 そしてこれが今の日本が迷っている原因ではないかと いくつかの例を通して説明しています。 わたしは特に 「子供は天然自然のものである!」 という考えにかなり刺激をうけました。 2014/09/09

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