内容説明
20世紀前半はヨーロッパを中心とし、第2次大戦後はアメリカが台頭し世界をリードしてきた。しかし、今後一極集中することなく地球規模で情報化が進み、そこで語られる事柄の質を高めていくには、個々の文化の掘り起こしと環境の見直しを迫られるに違いない。感受性に富んだ才能が、あらためて求められている。本書では、21世紀に入りいまだ先行きの見えない現在、「20世紀の美術」を作品と思想の両面から思い切って俯瞰してみた。
目次
時代を画した作品100(20世紀美術マトリックス;アメリカ;イギリス ほか)
時代を導いた思想家47人(ジークムント・フロイト;ジャック・ラカン;グスタフ・ルネ・ホッケ ほか)
主張と動向(イズムからアートへ;メタ批評を超えて)
著者等紹介
谷川渥[タニガワアツシ]
1948年生まれ。東京大学大学院美学芸術学博士課程修了。国学院大学教授
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感想・レビュー
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白義
8
現代アートの作品と言葉、その双方に入門することが出来るという点ではこの本はとてもありがたい。現代における芸術、アートは詰まるところそれを語る言葉と共犯的にその世界を広げていったからだ。といっても作品については各国十年ごとに一点とかなり寂しい。詳細なのは二部の美学思想家47人で、現代美学、芸術哲学の基礎とも言える論客たちが見開き2ページで紹介されている。パノフスキーやゴンブリッチだけでなく、ラカンやベンヤミンも美術との関わりから解説されているので、ここは結構便利だった2013/01/02
kana
0
20世紀という括りで一冊というのがわかりやすい。年代と国別という点も。しかし、星の数ほどの作品が存在した過去から、10年単位で1作品を選ぶという無謀さも感じる。概観を把握するにしろ、選定者の主観が非常に強く反映しているだろうな。一冊読むと、まだまだ他の資料も読まなきゃ!と感じる。エンドレス....2011/09/14
石橋 こわし
0
卒論を書くために、美術思想についてふんわりと知りたいと思って読んだけど、9割以上何言ってるのかサッパリ分からなかった。 でも、読んでて楽しかった。2018/01/22