内容説明
高い塀にかこまれた狭い庭にとじこめられた犬。食事は投げるようにして与えられ、家のなかにも入れてもらえないし、名前さえもつけてもらえない。ある日、犬は必死の思いで土を掘り、塀の下にトンネルをつくって、隣のおじいさんの庭に抜け出した。おじいさんは妻を亡くし、悲しみの日々を過ごしていた。疎外された犬と孤独なおじいさんの出会いから生まれたものは…。
著者等紹介
ボウズ,スーザン[ボウズ,スーザン][Boase,Susan]
イラストレーション、陶芸、人形制作と多方面で活躍をしている。現在合衆国のオレゴン州に、夫と共に暮らしています
柳田邦男[ヤナギダクニオ]
1936年栃木県生まれ。現代人の「いのちの危機」をテーマに、ノンフィクション作品や評論を発表してきた。最近は医療問題、心の危機、言葉の危機、絵本の重要性などの問題について執筆と講演を積極的にしている。1995年にノンフィクション・ジャンルの確立への貢献と『犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日』(文春文庫)の執筆に対し、第43回菊池寛賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ume 改め saryo
13
出会えてよかった。おじいさんと犬。 お互いがお互いを必要としていたのですね。 親しい友人のようで、親子のようで、愛情もある。 自分のシャツの上に、前足を自分鼻に掛けて幸せそうに寝ている犬を見つけたら、誰だって微笑んで、心を許しちゃいますよね(^^)/**2012/06/04
KAZOO
10
単色のセピア色で書かれた犬が非常に情緒ある感じです。この本を読むと、最近はお年寄りの人がかなりたくさん犬を連れ散歩している気持がわかるようになります。読んでみてほっこりとした気持ちにさせてくれるのですが、幼い子供に分かるのかなあ?2014/02/09
bakumugi
9
絵がうまいので、文章は少し過剰かな?と思うが、素敵な物語だ。失った愛と得たことのない愛、それぞれの喪失感を埋める幸せな出会い。新たな愛する主人からラッキーボーイと名づけられ、呼ばれる犬の穏やかでやさしい顔。著者自身愛犬家らしいが、犬への愛情を感じる素敵な絵だ。あと個人的に、本文紙にニス塗り加工のつやのある紙を使っていて、ページを繰るときの指止まり感が絵本っぽくて好き。2015/10/22
がる
5
そう、面倒みる気がないなら、最初から飼わなきゃいいのにって思う。 この子は本当にラッキーだったよね。よかった♪2011/04/24
まぁみ
4
図書館本。買おうかなあ。我が家の愛犬も洗ってあげなきゃ(笑)。人と犬とのハッピーエンド、最高です。2012/06/19