内容説明
本書は、半導体工学各論を学ぶための基礎としてぜひとも必要な『半導体の物理』の精髄を解説したものである。固体物理学の知識の整理から始め、半導体中の伝導現象、界面の物性、光物性など、半導体を学ぶ上で欠かせない内容を、やや程度の高い項目を含めながらもわかりやすく述べていく。改訂にあたっては、新たな研究分野の広がりをふまえ、その基礎原理を理解するするための大幅な増補説明を行った。
目次
1 固体の結晶構造と格子欠陥
2 固体の格子振動
3 固体のバンド理論
4 固体中の電子の統計分布
5 固体中の電子の伝導現象
6 半導体中の電子の散乱過程
7 半導体中の高電界効果
8 半導体界面の物理
9 半導体の光吸光
10 半導体発光の物理
11 半導体における非線形光学
12 ランダム系の物理
13 1次元電子系の物理
14 メゾスコピック系の物理
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こずえ
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電気系の人のおすすめ。この本1冊でまとまっておりよかったです
椎茸うま子
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固体の結晶構造やバンド理論についての説明から始まり、kp摂動によってSi、Ge、GaAsなどの代表的な半導体のバンド構造を調べていく。半導体の光物性や、電界効果、散乱過程などトランジスタ、発光素子の原理を理解するための基本的な物理を丁寧に学べる。半導体デバイスで起こっている現象は有効質量近似の範囲内で記述できるものが多いので、この本の内容を学べば電気系の物理の理解としては十分だろう。低次元系の物理に関しては、別の本で補う必要があると思う。