出版社内容情報
口裂け女、コトリバコ、貞子、伽耶子……Jホラーや都市伝説、怪談で描かれる恐るべき女たちは、なぜ恐れられるのか、どのように恐怖と結びつけられるのか。「怖い女」の原型を世界の女神神話から解読する!
内容説明
ホラーや都市伝説、怪談で描かれる恐るべき女たちは、なぜ恐れられるのか、どのように恐怖と結びつけられるのか。「怖い女」の原型を世界の女神神話から読み解く!
目次
口裂け女―追いかけ、呑みこむ女
醜さの怪異―イハナガヒメの娘たち
不均等の力―石の末裔たち
怖い箱―コトリバコ、パンドラの箱、玉手箱
『呪怨』伽椰子―蛇女神の末裔たち
『リング』貞子―母なるものの恐ろしさ
『着信アリ』―少女と内なる母
呑みこむ女
大量殺人鬼の女とトリックスター
怖い母性
世界神話の怖い女神
著者等紹介
沖田瑞穂[オキタミズホ]
1977年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程修了。博士(日本語日本文学)。中央大学、日本女子大学、等非常勤講師。専攻はインド神話、比較神話(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
59
現代ホラーから神話まで通底する「怖い女」を論じた一冊。神話から現代ホラーへの共通項を探るのは面白い試みなのだが、それだけにちょっと牽強付会な部分も目立つような。論じられている現代ホラーが三津田信三や山岸涼子、京極夏彦など良く読む作家ばかりなので、彼らの作品と神話が絡められているのは読んでいて楽しい。ただ尋常でないレベルでネタバレされているのはどうにかならなかったものか、内容的に核心に触れるのは仕方ないとして。小説やネットロアの論評と神話の解説それぞれ面白かったので、逆に絡めない方が良かったような気もする。2018/08/31
keroppi
54
確かに、ホラーや怪談や都市伝説には、女性が多く登場する。それを古今東西の神話も絡めながら分析しているのだが、もうひとつまとまりきれていない印象。「怖い絵展」で見たキルケーやサロメまで登場する。母なる存在が、その根源と説いているようなのだが。2018/05/28
ユウユウ
33
ホラー小説や映画、都市伝説、そして神話に至るまで、さまざまなタイプの「怖い女」を紹介し、その系譜を考察。論文ほど固苦しくはないけれど、比較的しっかりと、なぜ、なにが怖いのかということが、読みやすく書かれていて、興味深く読みました。読んでみたい本も増えました。………あー、怖かった、笑。2018/03/26
のりすけ
20
思うてたんと違うーな一作。チョイスされてるホラーが、ネタバレされまくりんぐで、ええんかい!でした。文章も論文を読んでるようで味気ない…かな?お母様と著者の件は、どうでもいいです。2018/06/23
くさてる
17
題名通り、様々な創作や各国の神話などに現れた「怖い女」の像に迫る内容。本気でやればとんでもなく深いテーマなだけに、作品のストーリーダイジェストをざっと並べただけの内容になるのは仕方がないかもしれない。後書きで事典的なものが最初のアイデアと知って納得。ただ、とくにホラーという恐ろしく広いジャンルに関しては、詳しい人であればあるほど「もうちょっと他にも作品あるよ」と言いたくなってしまうのでは。「怖い母性」というテーマなら純文学にもたくさんあると思う……。また、引用作品はすべてネタバレされていますのでご注意を。2018/04/07