ケータイ小説的。―“再ヤンキー化”時代の少女たち

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784562041633
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

内容説明

ケータイ小説とは、ファストフード化した郊外が舞台で、郊外に住む少女が主人公の、郊外に住む少女たちを主な購買層とする、郊外型ショッピングモール内書店で売られる「新しい文学」である。浜崎あゆみ、NANA、郊外型ショッピングモール、携帯メール…ケータイ小説の誕生の背景と理由にせまると、見えてきたものは。

目次

第1章 「情景」のない世界(ケータイ小説のキーパーソン;『恋空』に見る、浜崎あゆみの影 ほか)
第2章 ケータイ小説におけるリアルとは何か?(本当にレイプやドラッグがリアルなのか?;学校図書館はケータイ小説をどう捉えているか? ほか)
第3章 「東京」のない世界―ヤンキーの現在形(ケータイ小説における「東京」の欠如;上京という概念が存在しない漫画『頭文字D』 ほか)
第4章 ケータイが恋愛を変えた(ケータイ小説のリアルなリアル!?;DVとデートDVの違い ほか)

著者等紹介

速水健朗[ハヤミズケンロウ]
1973年生まれ。石川県出身。フリーランスライター/編集者。コンピュータ雑誌の編集を経てフリーに。音楽、芸能、コンピュータなど幅広い分野で執筆活動を行なう。郊外のショッピングモールとファミレスのフィールドワークがライフワーク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふろんた

16
浜崎あゆみの歌詞との類似性。情景描写もなく抽象的に過去を描く。またケータイ小説は実際にあった話をモチーフとしていることが多いが、ノンフィクションではなく不幸自慢のインフレが起こっているよう。そのわかりやすい不幸を「リアル」として扱っている。2019/05/13

RYOyan

12
どんなヒット商品にも必ず売れる理由があって、ケータイ小説の発展を郊外のショッピングモールと浜崎あゆみとNANA辺りから探っていくのは面白かった。確かにヤンキーのイメージは完全に変わってしまっているのだけど、根っこは一緒だということがよくわかった。それにしてもラノベの原点がここにあったということを知ったのは、情勢を理解する上で収穫だった。2018/06/15

さくら

7
自分が中高校生の頃、ケータイ小説がめちゃくちゃ流行っていて、たくさん読んだので、懐かしくて興味深い内容の一冊でした。あの頃も、ケータイ小説には全然共感できなくて、どこか別世界の高校生の話という感じではあったけど、それでもヒットしたのには理由があったと思うし、その背景について考えて論じてくれることが面白いなと思いました。ケータイ小説の代表作といえる「恋空」は、どこまでが本当のことだったんだろう。思い返せば、だいぶひどくてヤバい男の話ですね。2022/01/03

Ecriture

5
刊行されているケータイ小説論はほとんど読んだけど、この本と本田透のものはオススメできる。社会学、ジェンダー、テーマ批評のバランスがいいので。デートDVに関する文章はホモソーシャル論の足がかりとしてぜひ多くの人に読んで頂きたい。浜崎あゆみ、相田みつをなどの抽象的で限定されたリアルについての描写も分かりやすい。比較考察の事例が少ないことと、選択恣意性が問われるので学問として扱うのは厳しいけどね。2009/03/20

なな

4
有名なケータイ小説を読んだことはないけれど、ヒットの裏にはちゃんとした理由があるのだとわかった。浜崎あゆみや尾崎豊の歌詞との関連など、いまとむかしは繋がっているのだなと思った。2015/03/11

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