内容説明
アンチエイジング、電車内化粧、メトロセクシャル、美容整形…“顔にあざのあるジャーナリスト”と“化粧文化研究者”が顔から「現代」を読みとく。
目次
第1章 外見至上主義の暴走
第2章 もてる容姿もてない容姿
第3章 「若く美しく」の呪縛
第4章 外見の力、化粧の力
第5章 消費される身体
第6章 身体は自己責任か
第7章 美の基準を自分の中に取り戻せ
著者等紹介
石井政之[イシイマサユキ]
ジャーナリスト、評論家。1965年生まれ。豊橋技術科学大学卒業。外見と社会の関係、医療問題などをテーマに取材執筆活動を行なっている。顔にアザやキズのある当事者を支援することを目的に設立されたNPO法人ユニークフェイスの会長を務める
石田かおり[イシダカオリ]
駒沢女子大学専任講師、資生堂客員研究員。1964年生まれ。横浜市立大学卒業、お茶の水女子大学大学院修士・博士課程修了(西洋哲学)。現在の専門は化粧文化論・身体文化論。大学では「きれいを学問する」をテーマに、化粧や美の基準を哲学的にとらえる各種の授業を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@ヴィタリにゃん
59
顔に痣があったり、何らかの特徴があるユニークフェイスという活動をされておられる石井政之さん。彼は顔の左半分に大きな痣があるが、それをカモフラージュメイクで隠してもらった事に非常に不快感を覚えている。メイクアップアーティストの方が「きれいでしょう?」と言ったのだが、石井さんは「では今までの顔はきれいではないのか?」と疑問を呈する。すっかり定着した美容整形の話も含めて、16年も前に出版した本だけど、「顔」「美醜」に対して真摯な態度で臨んでいた。美こそ正義は間違っています!2021/06/27
袖崎いたる
11
見た目に障害がある人と化粧をする人間について考える人との往復文章。どちらも根本的に見た目依存な時代を捉えようとしているけれどどこかすれ違う。石井さんが「でも…」「しかし…」と痛切な見た目話題を深めようとする。でも石田さんが別口に話題を向けてうまくいかない。石田さんは哲学思想に覚えがあるからかそうした事態もひっくるめたように本書の最後にライプニッツを語り、その流れで自分が打ち出したかったらしきスロービューティーという処方案を置く。面白かったのは解釈格子問題が修辞学的な「表現そのものへ!」にシフトしてたこと。2016/12/17
、
6
顔にうずまきを書くのが美しいっていう社会になったらみんなやるのかな?という。いま、私はやらんと思った人も、多分やるんじゃないかな…。口が三つだと美しいってなったら?みんな口三つにしたら、そりゃ君も口三つにするやん?っていう。みんな二重が美しいと思うからアイプチしたり整形したりするのよね。二重のなにがどう美しいのか説明できる人はいないと思う。美の価値基準を外に置いたら永遠に美しいという自己イメージは持てないよね。なっとく。2013/11/01
湯飲み猫
5
残念ながら今の日本は、お二人が危惧している社会へと邁進しているように見えます。「見た目」に対する画一的な価値観は、若い世代だけでなく中年以上にも刷り込められ、コンプレックスはますます強化されています。今の日本の閉塞感の一要因が、ここに隠されているように思いました。もしあなたが女の子を見て「見分けがつかないなあ」と思ったことがあり、しかも男の子に対しても同様の感想を持ったことのあるのなら、読むといろいろ考えさせられますよ。2014/05/31
べんざカバー
3
美しい人はせせら笑うのだ。2019/04/18