内容説明
19世紀中葉、スペイン名門貴族の娘に生まれ、幼くしてパリに出てからはメリメやスタンダールに可愛がられたウージェニーは、長じてナポレオンの甥で大統領となったルイ・ナポレオンに近づく。クー・デターによって皇帝の座についた彼の求婚を受け入れ、皇妃となった彼女を苛酷な運命が待ち受けていた。
目次
第1章 グラナダの娘たち
第2章 二つの悲恋
第3章 ルイ・ナポレオン
第4章 結婚
第5章 第二帝政
第6章 君臨する皇妃
第7章 流謫
著者等紹介
窪田般弥[クボタハンヤ]
1936年生まれ。早大仏文科卒。詩人・評論家・翻訳家として知られる。2003年没
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
18
第二帝政で皇帝になったナポレオン三世の妻ユージェニーの評伝。常に処刑されたマリ―・アントワネットの幻影に悩まされたというのがリアル。2017/12/12
桜子
3
第二帝政を皇妃の側から見た記録。じっさいは作家メリメが失恋旅行で訪れたスペインで4歳のウ―ジェニーに出会うところからはじまっているので、第二帝政に関する記述は半分程度。敬愛する父との哀しい別離。放浪。類いまれな美貌に恵まれ、自由奔放に生きるも、17の年、姉のために心から欲したアルバ公爵の求婚を辞退しなければならなかった。この出来事が彼女の運命を変えたとまでは断言できないが、ひとつの転機になったことは確かだろう。親しい者に宛てた書簡も多く紹介されており、彼女の人となりが窺える。老後は健やかに過ごしたそうだ。2011/04/09
mi3mi3na7
0
ウージェニーという女性の人生をかなりドラマチックに描いている。誇張されているエピソードもあるかもしれないが、それにしても激動の人生だったのだな、と思う。 文章としては少しとっつきにくく、読むのをやめようかとも思った。しかし内容が進むにつれ段々と展開とウージェニーという人物への理解が進み、違和感なく読めるようになった。逸話の紹介テンポが巧みという印象。2021/04/19
おばこ
0
時代背景の知識は無かったけれど、面白かった。スキャンダラスネタが多く、ワイドショーを見ているような。肖像画からは、美人だとは思えない。2018/04/12