キフシャム国の冒険

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キフシャム国の冒険

  • 鴻上 尚史【著】
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 白水社(2013/10発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 178p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784560083307
  • NDC分類 912.6
  • Cコード C0074

内容説明

いつか未来、再び、大地は揺れ、津波が原子力発電所を襲い、大切な人を亡くした…不思議な国キフシャムに導かれし主人公は、冥界を旅する!癒せぬものを癒し、慰められぬものを慰めるために旅立った人達の冒険の物語。ポスト3.11の「希望」を伝えるファンタジー。

著者等紹介

鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年生。早稲田大学法学部卒。作家・演出家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フム

20
震災後、福島の強制避難区域に住む奈緒美。役場の職員が訪れて避難するよう説得するが、奈緒美は動かない。震災の津波で夫と6歳の拓也が行方不明のまま、いつ帰ってくるかわからないから待っていると言うのだ。震災後の福島に何度か訪れた鴻上さんは、「演劇になにができるんだろう」と考えた。大切な人を失った人に「演劇はなにができるんだ」と問いかけ続けて出来上がった作品。架空の世界で冒険をして帰ってきた奈緒美は現実と向き合うエネルギーをもらったようである。2019/12/16

sputnik|jiu

15
「3・11」後を舞台にした戯曲。津波によって夫と息子を失った女性が、ひょんなことから異世界であるキフシャム国を救うために冥界を旅する物語。本当に悲しいこと、癒しも逃げ場もない出来事というのは確かにあって、その渦中にある人はそれらを忘れることも、乗り越えることもできないまま、ただただ生き続けるしかない。たとえそこに救いがなかったとしても。物語の佳境で、全ての記憶を失うことのできる冥界の「忘れ川」の大水が頭上から降りしきる中、それを口に含まないよう、ひたすら走り続ける主人公たちの姿はなんとも隠喩的。2013/10/13

きぃ

2
2013年5月18日〜6月11日新宿紀伊國屋ホールで上演された舞台『キフシャム国の冒険』の戯曲。舞台は福島、津波により大切な人を失った主婦奈緒美。一方魂と精霊の国キフシャムにはテプガンズの呪いで闇が広がっていた。その呪いを解く呪文を知っているのは亡くなった王だけ。王に会い呪文を教えてもらうため王子と執事トコフが奈緒美と一緒に冥界を旅するファンタジーである。こんなに一つの作品を見に何度も劇場に通ったことはない。その舞台を戯曲として形にしていただけたことにただただ感謝です。2013/09/22

♔miyu♔

1
DVD化よりも先に、本にするところが面白いと思った。中を開けてみると、まさかの台本そのまま。これは斬新。一度舞台で見ているため、たまに奈緒美さんや王子の声がファッと降りてくる瞬間があったり、色々思い出しながら読むことが出来て楽しかった。2014/02/21

のり お

0
鴻上さんのファンタジー。ケルベロスだったりパペットだったり、舞台だとさぞかしばかばかしくて楽しいのだろうと、読みながらニヤニヤしてしまいました。とことんまでのバカバカしさがあるから、奈緒美や王子の苦悩や決断が無防備にされた観客の心を撃ち抜くのだと思います。舞台見たくなっちゃいますね。2014/02/18

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