内容説明
フィレンツェを主要な教会や広場を軸として12の地区に分け、各地区に関連した年中行事や歴史を語ると同時に、ガイドブックに載っていない興味深い場所を訪ね、街とそこに暮らす人々の素顔の表情を紹介する。観光スポットから道ひとつはずれた裏通りに、本当のフィレンツェの魅力が隠されている。
目次
レプッブリカ広場―フィレンツェ発祥の地
ドゥオーモ―大聖堂とお祭り
シニョリーア広場―広場は野外美術館
サンタ・マリア・ノヴェッラ―フィレンツェの表玄関
サン・ロレンツォ―胃袋と買い物袋
サン・マルコ―アカデミックな学生の街
サンタ・クローチェ―古式サッカーと偉人たち
ポンテ・ヴェッキオ―フィレンツェ最古の橋
サント・スピリト―職人気質が残る下町
ミケランジェロ広場―街を見下ろす散歩道
カンポ・ディ・マルテ―紫に染まるスタジアム
フィエーゾレ―丘の上の小さな町
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chang_ume
8
通読して感じることは、まちを語る口ぶりは、〈近代〉をいかに組み込むかによって、生活実感を含んだフィールドワーク的性格となるし、逆に〈近代〉を排除した超歴史的な語りは、どこにでもいる観光ガイド的な消費言説にしかならないのだろうと。フィレンツェの場合、19世紀後半に誕生したイタリア王国の首都一時設置が、レプッブリカ広場やミケランジェロ広場といった都市改造事業、さらにサンタ・クローチェ聖堂のファサード建設などの建築ラッシュを生んだこと。個人的には、未訪のアルノ川対岸(オルトラルノ)をじっくり歩いてみたいですね。2020/03/13
いっこ
1
いわゆる観光ガイドブックではなく、20年ほど前のフィレンツェ市民の日常も垣間見ることができて、楽しく読めた。歩くのに杖が必要な著者が、少しも不自由を感じなかったというところ、イタリア人は万事いい加減と思われているけれど、温かい国民性はそれを忘れさせてくれるのだろうか。2017/05/30
utataneneko
1
イタリア旅行を前に読みはじめ、フィレンツェにも携えて行って、やっと読み終えた。この本では観光客の目線でなく、実際に住んでいる人たちの息吹が感じられてよかった。中心部から少し外れた、アルノ川の向こうの下町っぽい雰囲気に惹かれた。実際に観光の途中で行ってもみたけれど、まだ路地の奥の方をくまなくは訪れてはいないので、それは次回のお楽しみにしようと思う。2012/03/01
Mr.Shankly
1
フィレンツェ旅行するにあたり買ったのだが全部読めず旅行へ。案の定、帰国してから読んでみて「あそこがそうなのか!」、「あー、やっぱりあっちに行けばよかった」と若干後悔するはめに。一方、自分の中でよりはっきりフィレンツェという町が描けるようになり、次行くときが楽しみ。ただガイドにある有名なところを行ってフーンとか、買い物目的でフィレンツェへ行ってもしょうがない。スタンダールはフィレンツェの美術品の多さに旅行中ノイローゼになったそうだが、私は帰国後、現実(日本)の詰まらなさに一週間ほど気落ちした。2012/02/11
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